アディザイン・Web事業部の吉田です。
ずっと使っていた定期券が、長く使いすぎて印字がボロボロになり、いつまで使えるのかも読めなくなっていました。今日、更新のついでに駅員さんに相談してみると、無料で新しいカードにしてもらえるとのこと。ピカピカの定期券になって、地味にうれしい一日です。
では、本題に入ります。
AIに自分の口調でSNSの投稿を書いてもらうために、僕はいま、自分が過去に書いた文章をAIに読ませて、「口調の見本」を作ってもらう仕組みを作り始めています。
きっかけは、ブログ記事の紹介をFacebookに投稿しようとして、AIに文章を頼んだことでした。「僕が書いたようにしか見えない文章で」とお願いしたのに、1回目に出てきた文章は、いまひとつ僕の言葉になっていません。
そこで「僕の口調って、どこから学んだの?」と聞いてみると、AIの答えは「学習元となる資料はありません」。
そりゃ似ないわけです。
この記事では、そのとき何が起きたかと、自分の文章を材料に口調の見本を作る仕組み、誰でも試せる4つの手順と、AIにそのまま貼れる依頼文をまとめました。まだ見本を作る前の段階なので、うまくいったかどうかは次の記事で報告します。
AIに書いてもらった投稿文は、3回目でようやく形になった
紹介したかったのは、Codex(OpenAI のAI)に作らせた画面の出来が Claude Code より低かったので、どのAIも同じルールを読む形に変えた、という記事です。頼んだのは、「このブログ記事を紹介するFacebookの投稿文を、僕の口調で書いて」という、よくある内容でした。
1回目に出てきたのは、経緯を丁寧に説明した長い文です。僕の返事は「くどいな。もうちょっと簡潔に」。2回目は短くなったものの、「原因はモデルの差だけじゃなかったんです」という一文が入っていて、それは言われなくても分かる、という話です。
そこで、言いたいことの流れを自分で伝え直しました。「基本的にクオリティが低かった。だから全部のAIが同じルールを見に行くようにした。その顛末をブログに書いた」。ここまで伝えて、ようやく僕が書きそうな文章になりました。
僕が求めていたのは、もっと短くて、当たり前のことを言わない文章でした。その「僕ならこう書く」の部分を、AIはまだ知らなかったんです。
「僕の口調はどこから学んだの?」と聞いたら、見本は無かった
気になったので、AIに直接聞いてみました。返ってきた答えを要約すると、こうです。
- 学習元となる資料はない過去のFacebookの投稿や、僕が自分で書いた文章を見本として読んだわけではない
- 手がかりはチャットだけこのチャットでの話し方と、作業の記録に残っていた言い回しに寄せただけ
- チャットと文章は別物チャットは音声入力の話し言葉なので、文章を書くときの口調とは違う可能性が高い
聞いてみれば、もっともな話でした。AIは、見たことのない「僕の文章」に寄せようがないので、自分の文章を渡していなければ、誰が頼んでも同じことが起きやすいはずです。
逆に言えば、自分が書いてきた文章を見本として渡せば、AIは寄せる先が分かります。そこで、その見本を作る仕組みを用意することにしました。
自分の文章を集めて、AIに「口調の見本」を作ってもらう
考えた仕組みはとてもシンプルで、自分が過去に書いた文章を集めてAIに読ませ、一人称・文の長さ・語尾・口ぐせ・締め方などを「口調の見本」として書き出してもらうだけです。投稿文を頼むときは、毎回その見本を読んでから書いてもらいます。
口調の見本
自分の書き方のくせを、AIが読める形にまとめたもの
Facebookの投稿
僕の場合は、一番量が多い
ブログ・note
長めの文章の書き方
メルマガ・お知らせ
お客さま向けの言葉づかい
X・Instagram
短い文の書き方
自分の言葉で書いた文章なら、どれでも材料になる。量が多いものから集めるとよい
僕の場合、自分で書いた文章が一番多いのはFacebookなので、Facebookの過去の投稿を材料にします。僕は Claude Code(AIにパソコンの作業をしてもらうツール)を使っているので、投稿文を作るための専用のフォルダを1つ作ってもらい、その中に次の3つを用意しました。ChatGPT などの普通のチャットで試す方法は、このあとの手順で紹介します。
- 口調の見本AIが読む、僕の書き方のまとめ
- 過去の投稿の保存先Facebookからダウンロードした投稿をそのまま入れる
- 書いた投稿文の保存先日付つきで残しておく
この仕組みのいいところは、直したところが見本に溜まっていくことです。「くどい」と言ったら「1つの投稿は3〜4段落まで」、「当たり前の話はいらない」と言ったら「決め台詞を入れない」と、見本やルールに書き足してもらいます。これで、同じ注意を何度も言わなくて済むようになるはずです。
自分が書いた文章を集める
Facebookの投稿・ブログ・メルマガなど
AIに「口調の見本」を作ってもらう
一人称・長さ・語尾・口ぐせ・締め方を書き出す
材料を渡して、投稿文を書いてもらう
ブログ記事のURL・やったことのメモなど
直したところを、見本とルールに足してもらう
次からは同じ注意をしなくて済む
この「直したことを溜めていく」考え方は、AIに仕事のルールを教える考え方と同じです。複数のAIで同じルールを使えるようにした話は「CLAUDE.mdを全AIで共有する仕組み」で書いています。
試してみるなら、この4つの手順で
ここからは、自分でも試してみたい人向けの手順です。専門的な操作は必要なく、Facebookの画面で何回か選んで、AIにファイルを渡すだけで始められます。
手順1 自分が書いた文章を集める
見本が無いと、AIは無難な「誰かの文章」を書きます。なので、まずはAIが寄せる先になる、自分の文章を集めます。
Facebookなら、過去の投稿をまとめてダウンロードできます。パソコンで Facebook を開き、次の順に進みます。
- 右上のプロフィール写真から「設定とプライバシー」→「設定」を開く
- 「Metaアカウント」(「アカウントセンター」と出る場合もあります)→「あなたの情報とアクセス許可」→「あなたの情報をエクスポート」を押す
- 「エクスポートを作成」を押し、自分のプロフィールを選んで「デバイスにエクスポート」を選ぶ
- 書き出す情報・期間・形式・画質を選んで、「エクスポートを開始」を押す
選ぶときのコツは3つです。
- 書き出す情報は「投稿」だけにする全部を選ぶと、メッセージや友達の情報まで入って重くなる
- 形式は「HTML」、期間は「全期間」HTMLはブラウザで普通に読める形式で、日本語もそのまま読める。もう1つの形式(JSON)は、日本語が文字化けした形で入ることがある
- 写真の画質は低めでよい使うのは文章だけなので、ファイルが軽くなる
準備ができると通知が届き、「利用可能なダウンロード」から取り出せます。取り出せるのは4日以内なので、届いたら早めにダウンロードしておきましょう。届くのは1つにまとめた圧縮ファイル(ZIP)で、開くと投稿の入ったファイルが出てきます。どれが投稿のファイルか分からないときは、ファイルの一覧をAIに見せて聞けば教えてもらえます(Facebook のヘルプ「自分のFacebook情報のコピーをエクスポートする」、2026年10月7日確認。画面の項目名は時期によって少し変わることがあります)。
ちなみに僕は、取り出す仕組みを Claude Code に作ってもらったので、JSON形式で取得し、文字化けを直してから使います。ブログやnoteを書いている人は、記事の本文をいくつか集めるだけでも材料になります。
手順2 AIに「口調の見本」を作ってもらう
集めた文章をAIに渡し、自分の書き方のくせを言葉にしてもらいます。一人称、1つの投稿の長さ、語尾、よく使う言い回し、絵文字の使い方、書き出しと締め方です。実際の投稿から短く抜き出した例も添えてもらうと、AIもあとで見比べやすくなります。
できた見本は、メモ帳や Google ドキュメントに保存しておきましょう。ChatGPT などの普通のチャットでは、会話が変わると前の内容を覚えていないことが多いので、投稿文を頼むたびに見本を一緒に貼ります。
手順3 材料を渡して、投稿文を書いてもらう
見本ができたら、いよいよ投稿文です。保存しておいた見本と、ブログ記事のURLややったことのメモを一緒に貼って、「この口調の見本に合わせて、Facebook用の投稿文を書いて」と頼みます。書いてもらった文章は、出す前に自分で一度読む前提にしておくと安心です。
手順4 直したところを、見本とルールに足してもらう
同じ注意を次から言わなくて済むように、直したところは見本に残していきます。「くどい」「この言い方はしない」と直したら、そのたびに「今の指摘を見本に書き足して、新しい見本を全部出して」と頼み、保存してある見本を上書きします。これを続けるほど、見本が自分に近づいていくと思います。
AIにそのまま貼れる依頼文
ここまでの手順を、AIに1回で頼める形にしました。集めた文章のファイルと一緒に、次の依頼文を貼ってください。ChatGPT・Claude・Gemini など、ファイルを読めるAIなら使えます。
添付したのは、私が過去に自分で書いたSNSの投稿(またはブログ記事)です。これを読んで、私の「口調の見本」を作ってください。
読むときの注意
1. シェアしただけの投稿や、自動で作られる文(「〜さんが写真を追加しました」など)は除き、私が自分で書いた本文だけを対象にしてください
2. 日本語が文字化けしていたら、元の日本語に戻してから読んでください
書き出してほしいこと
1. 一人称と、読む人への呼びかけ方
2. 1つの投稿の長さ、段落の数、改行の入れ方
3. 語尾のくせと、くだけ具合
4. よく使う言い回し・口ぐせ
5. 絵文字・記号・ハッシュタグの使い方
6. 書き出しと締めの型
7. 私が使わない言い回し
それぞれに、実際の投稿から短く抜き出した例を添えてください。
最後に
次から投稿文を頼むときに貼り付けて使えるよう、見本を1つの文章にまとめてください。私以外の人の名前や、やりとりの内容は見本に入れないでください。
投稿の数がとても多い人は、AIが全部を一度に読み切れないことがあります。そのときは、最近の1年分など、量を区切って渡してみてください。
ブログやお店の発信で、自分の言葉で発信してきた人も試せる
この仕組みは、Facebookを使っている人だけのものではありません。ブログ・note・メルマガ・お店のInstagramなど、自分の言葉で書いてきた文章があれば、それがそのまま見本の材料になります。

たとえばお店の人なら、毎日のお知らせや新商品の紹介を書いてきた分だけ、お客さまに向けた自分の言葉が残っています。自分の口調で文章を書いてほしい、と思っている人は結構いると思うので、やってみたい人はぜひ試してみてください。
続きは、口調の見本ができたら書きます
いまはまだFacebookのデータをダウンロードする前の段階なので、見本がどれくらい僕に近づくのか、何本くらい投稿を読ませればいいのかは、これから試して確かめます。
次は、Facebookの投稿を集めて口調の見本を作り、実際に書いてもらった投稿文がどう変わったかを書くつもりです。うまくいかなかったところも含めて、続けて書いていきます。
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よくある質問
Q. 過去の投稿が少なくても、口調の見本は作れますか?
まだ試している途中なので、何本あれば足りるかは分かっていません。少ない場合は、ブログやメルマガなど、ほかに自分で書いた文章も一緒に渡すと材料が増えます。分かったら、この記事にも追記します。
Q. ChatGPT でもできますか?
ファイルや長い文章を読めるAIなら、同じ考え方で試せます。この記事の依頼文は、ChatGPT・Claude・Gemini のどれに貼っても使える書き方にしています。会話が変わると見本を忘れることが多いので、見本は自分で保存しておき、毎回一緒に貼ってください。
Q. 友達の投稿や個人情報が混ざりませんか?
書き出す情報を「投稿」だけにすれば、メッセージや友達の一覧は入りません。ただ、投稿の中にタグ付けした人の名前などは残ります。依頼文で「私以外の人の名前は見本に入れない」と伝え、使うAIに入力した内容を学習に使わない設定があるかも、先に確かめておくと安心です。