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AI活用 2026.09.16

ChatGPTの社内導入、何から始める?最初の1か月にやること

執筆:adisign

ChatGPTの社内導入は、全員に一度に配ることではなく、1〜2人で小さく試してから広げることがいちばんの近道です。

先に会社の情報をどう守るかを決めたくなりますが、それより前に「誰が、どの仕事で、どれくらい試すか」を決めておかないと、ルールだけが先にできて誰も使わないまま終わってしまいます。担当者を決めないまま「使いたい人は使っていいですよ」と案内だけを先に出すのも同じで、一部の人がこっそり試すだけで終わり、大半の社員は存在すら知らないまま忘れられていく、ということが起こりがちです。

この記事では、使い始める人の選び方、無料版と有料版のどちらで始めるか、最初の1か月にやること、社内への広げ方までを順番に整理しました。社内向けのAI研修を行っている会社の目線で書いています。ルールの決め方は、姉妹記事の「生成AIの社内ルールの作り方」に詳しくまとめています。

ChatGPTの社内導入は、4つの順番で進めると迷いません

やることは、次の4つです。上から順に進めると、途中で止まりにくくなります。

  1. 使い始める人を1〜2人の「推進担当」に絞る
  2. 無料版か有料版か、使う目的で決める
  3. 最初の1か月で、成果が見える使い方を1つ作る
  4. 成果をもとに、使う部署を広げる

明日から始めるなら、まずは1の担当者を決めて、その人が今かかえている仕事のうち「時間がかかっている割に単調な作業」を1つ書き出すところからです。

ここから、それぞれで何をするかを順に説明します。

最初に使う人は、1〜2人の「推進担当」に絞る

全社員に一斉にアカウントを配るところから始めると、使い方の差が大きく開いて、質問が推進担当に集中し、対応しきれなくなります。まずは1〜2人に絞ってください。

向いているのは、役職の高さやパソコンの詳しさよりも、ふだんの仕事で文章や資料を作る機会が多く、新しいやり方を試すのを面倒がらない人です。経営者自身が担当になってもかまいません。

  • 経営者か部門の責任者が1人使い方の判断と、うまくいったときの号令をかける役目
  • ふだんの仕事でAIを使いたい担当者が1〜2人実際に手を動かして試す役目
  • 社内のパソコンやアカウントを管理している方が1人アカウントの発行や設定を担う役目

3人目・4人目まで揃わなくても、経営者と実際に使う担当者の2人がいれば始められます。

法務の担当者がいなくても大丈夫です。情報の扱いに関するルールは、姉妹記事「生成AIの社内ルールの作り方」で決め方をまとめているので、導入と並行して進めてください。

無料版か有料版か、使う目的で決める

推進担当が最初に迷うのが、無料のままでよいか、有料プランに進むかです。判断の軸は、入力する情報が「会社の外に出ても困らないか」で決まります。

使うアカウント入力した内容の扱い向いている作業
社員個人のアカウント(無料版・個人向けPlus)設定を変えない限り、AIの学習に使われる場合がある。会社側からは設定を確かめにくい公開情報の下書きなど、外に出ても困らない作業
会社向けプラン(ChatGPT Business)標準では学習に使われない。管理者が誰がいつ使ったかを見られる社内の資料を扱う作業を含む、幅広い業務

学習に使われるかどうかの詳しい仕組みや、Gemini・Claude・Copilotなど他のAIとの比較は、姉妹記事「生成AIの社内ルールの作り方」にまとめています。

料金はOpenAIが随時見直しており、個人向けPlus・会社向けBusinessとも改定が入ることがあります。契約する前に、必ずOpenAIの公式料金ページで最新の金額を確かめてください。Businessは2人からの契約が必要で、年払いにすると月払いより1人あたりの単価が下がる、という体系は目安として知っておくとよいです。

最初の1か月は、無料版か個人向けPlusで様子を見て、成果が見えてから会社向けプランに進む会社が多く見られます。最初から全員をBusinessプランにすると、使わない人の分の費用だけがかかることになります。

最初の1か月にやること — 小さく試して、成果を見える形にする

推進担当が決まったら、最初の1か月は「使う仕事を1つに絞って、成果を残す」ことだけに集中します。あれもこれも試すと、何が効いたのか分からないまま1か月が終わってしまいます。

ノートPCの画面に並んだ「ChatGPT 利用状況」の一覧表と、横に置かれた「広げる順番」の小さなカード

進め方の目安は、次のとおりです。

  • 最初の3日で、試す仕事を1つだけ選ぶ議事録の要約、社内文書の下書き、メールの言い回しの見直しなど、失敗しても実害の小さい仕事から選びます
  • 1〜2週目は、実際に使って記録するうまくいった聞き方(プロンプト)と、期待と違う答えが返ってきた場面の両方をメモしておきます。うまくいかなかった記録のほうが、後で役に立ちます
  • 3週目は、うまくいった聞き方を型にする毎回ゼロから聞き方を考えるのは大変なので、うまくいった文面をそのままコピーして使えるようにしておきます
  • 4週目は、推進担当以外の数人に見せる小さな共有会を開く資料は作り込まず、実際の画面と、かかった時間の変化を見せるだけで十分です

この段階では、社内全体への一斉告知はまだしません。成果が見えないうちに広く知らせると、「思ったほど便利じゃない」という感想が先に広がってしまうことがあります。

何を成果とするか(作業にかかる時間が減ったか、文章の質が上がったか、など)は、始める前に1つだけ決めておいてください。基準がないまま1か月を終えると、広げるかどうかの判断ができません。

成果が見えたら、使う部署を広げる

1か月の共有会で手応えがあれば、次は使う部署を広げていきます。順番は、成果が出た部署から、似た仕事をしている部署へ進めるのが自然です。営業部の資料づくりで効果が出たなら、次は同じように資料を作る機会が多い部署に声をかけます。

広げるときにあわせてやっておきたいことは、次の3つです。

  • 推進担当が、簡単な実演をする資料を配るだけより、画面を見せながら実際に打ち込んで見せるほうが、次に使う人の不安が減ります
  • 使ってよいAIの一覧と、入れてはいけない情報の線引きを、この段階で決める使う人が増えるほど、判断を個人任せにするリスクが上がります。決め方は「生成AIの社内ルールの作り方」を参照してください
  • 無料版のまま広げるか、Businessプランに切り替えるかを、この段階で判断する使う人数が増えて、社内の資料を扱う場面が出てきたタイミングが目安です

全社に広げるかどうかは、最後に決める判断です。最初の数部署で困りごとが出た場合は、そこで一度止めて、使い方やルールを見直してから次に進めてください。

定着せずに終わりやすいパターン

導入したものの、数か月で使われなくなってしまう会社には、共通したパターンがあります。

  • 目的が曖昧なまま、全社に一斉配布した「とりあえず使ってみて」だけでは、何に使えばよいかが伝わらず、誰も手を付けないまま契約だけが残ります
  • ルールが厳しすぎて、使える仕事がほとんど残らなかった入れてはいけない情報を広く取りすぎると、無難な作業にしか使えなくなり、使う理由が薄れます
  • 教える人が決まっておらず、質問が宙に浮いた使い方に迷った社員が誰にも聞けず、そのまま使わなくなるケースです

いずれも、導入の順番を飛ばして「全員に配ってから考える」形にしてしまったことが原因になりやすいです。この記事で紹介した「1〜2人から始めて、成果を見てから広げる」順番を踏むと、こうした止まり方は避けやすくなります。

情報の線引きやルールづくり、実際の使い方の練習を社外の手を借りて進めたい場合は、アディザインの企業向けAI研修で、この進め方そのものを一緒に組み立てています。はじめて生成AIに触れる社員向けの内容はAI基礎講座のページに、自社の業務課題を題材に進める内容は課題解決型セミナーのページにまとめました。研修の全体像はAI活用・セミナーのページをご覧ください。内容と料金は、それぞれのページで確認してください。

よくある質問

Q. 無料版のまま社内で使い続けてもいいですか?

外に出ても困らない情報だけを扱う範囲であれば、無料版のまま続けても大きな問題は起きにくいです。ただし、入力した内容が学習に使われる設定になっている場合があるので、社内の資料や取引先の情報を扱う予定が出てきたら、会社向けプランへの切り替えを検討してください。

Q. 何人になったらChatGPT Businessに切り替えるべきですか?

人数の決まりはありません。目安は、使う人数よりも「扱う情報の種類」です。個人の作業からチームの資料づくりに使い方が広がってきたタイミングで検討する会社が多い印象を持っています。

Q. 推進担当を任せられる人がいない場合は、どうすればいいですか?

社内に適任者がいない場合は、外部の研修で一緒に進める方法もあります。AI基礎講座では、はじめてAIに触れる社員が実際に手を動かしながら、業務での使いどころを見つけるところから進めます。

Q. ルールを決めるのと、導入を始めるのはどちらが先ですか?

順番に厳密な決まりはありませんが、私たちは並行して進めることをおすすめしています。この記事の「推進担当を決める」段階で、あわせて情報の線引きの検討も始めると、後から慌てて決めることが少なくなります。決め方は「生成AIの社内ルールの作り方」にまとめています。

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