予約が月に数十件までで、受ける担当者が1人か2人なら、無料の手段で足ります。有料に移る目安は、予約の件数そのものよりも、確認の連絡や書き写しに手を取られ始めたときです。
無料で使える手段は、Googleフォーム、Googleカレンダーの予約スケジュール、LINE公式アカウント、無料プランのある予約サービスの4つ。どれも、空き枠の管理・自動の連絡・支払いのどこかに制限があります。
たとえばSTORES 予約の無料プランは、月50件・予約ページ2つまでです。
Airリザーブの無料プランは件数に上限がない代わりに、予約前の確認メール(リマインド)を自動で送れません。
この記事では、4つの手段ごとにできること・できないこと・詰まりやすい点を整理して、有料に移る目安をまとめました。有料にしても足りないときに考える開発は、別の記事で解説しています。Webアプリや業務システムの開発も手がけている会社の目線で書いています。
無料の手段は4つあり、向く場面が違います
選ぶときは、機能の多さよりも、予約を受ける人数と、お客さまとの連絡の手段で決めます。受ける人が1人で枠もシンプルならGoogleのサービスで足ります。担当者や部屋が複数あるなら、無料プランの予約サービスから始めるのが近道です。
| 手段 | できること | できないこと | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| Googleフォーム | 申し込みを集め、回答を表計算に自動で並べる。日時や回答数で受付を自動で締め切れる | 時間枠ごとの空き表示と、予約の変更・取り消しの管理 | 体験会や見学会のように、日が決まっていて人数に上限がある受付 |
| Googleカレンダーの予約スケジュール | 空いている時間だけを予約ページに出し、予約が入ると自分のカレンダーに予定が入る | 無料の個人アカウントでは予約ページは1つ。予約時の支払いは受け付けられない | 1人で受ける個別の相談・レッスン・面談 |
| LINE公式アカウント(無料プラン) | 友だちに月200通まで配信できる。プロフィールなどに予約ボタンを置ける | 空き枠の管理。予約の受付は連携した予約サービスが担う | お客さまとのやり取りがLINE中心の店や教室 |
| 無料プランのある予約サービス | 予約ページ、空き枠の管理、顧客管理 | 予約の件数、予約ページの数、リマインドなどに制限がある | 担当者や設備が複数ある、本格的に予約を受けたい場合 |
自分の場合はどれに当たるのか、3つの質問で見分けられます。
質問3
お客さまに、空いている日時を見て選んでもらいたいですか?
「日はこちらで決めて、参加を申し込んでもらう」形なら「いいえ」です
あなたの場合
Googleフォームから始める
日が決まった体験会や説明会のような受付なら、フォームで足ります。
「Googleフォームは」の章を読む
あなたの場合
Googleカレンダーの予約スケジュールから始める
1人で受ける個別の予約なら、空いている時間だけを見せられます。
「Googleカレンダーの予約スケジュールは」の章を読む
あなたの場合
LINE公式アカウントに、予約サービスをつなぐ
LINEはお客さまとの連絡に使い、空き枠の管理は予約サービスに任せます。
「LINE公式アカウントは」の章を読む
あなたの場合
無料プランのある予約サービスから始める
担当者や設備の管理が要るなら、予約サービスのほうが手間が少なくなります。
「無料プランのある予約サービスは」の章を読む
Googleフォームは、日が決まった受付に向きます
向くのは、体験会・見学会・説明会のように、日時があらかじめ決まっていて、人数に上限がある受付です。氏名や連絡先、希望の回を選んでもらい、回答は表計算に自動で並びます。
2026年1月からは、日時になったとき、または回答数が上限に達したときに、フォームを自動で締め切れるようになりました。個人のGoogleアカウントでも使えます。注意したいのは、時間枠ごとに空きを数える機能ではない点です。
時間枠ごとの空きを数える機能はないので、回ごとに別のフォームを作るか、枠ごとの上限を足す拡張機能を使います。
作ったあとは、回答先の表計算を開いて日時の列で並べ替え、同じ時間に2件入っていないかを確かめます。この確認を毎朝する運用になるので、予約が次々に入る受付には向きません。
- 作り方: Googleフォームで新しいフォームを作る → 日時の選択肢を入れる → 「回答」タブで回答の受付に締め切りを設定する
- 通知: 新しい回答が入ったらメールで知らせる設定にしておくと、確認の漏れを減らせます
Googleカレンダーの予約スケジュールは、1人で受ける枠に向きます
予約ページに出るのは、自分のカレンダーで空いている時間だけです。予定が入っている時間は表示されません。
作り方は、Googleカレンダーを開いて「作成」から「予約スケジュール」を選び、受け付ける曜日・時間・1回の長さを決めます。発行された予約ページのURLを、ホームページ・名刺・LINEのあいさつに貼れば受付が始まります。手作業の受付と比べて重なりにくいのは、この仕組みのおかげです。
無料の個人アカウントで作れる予約ページは1つ。予約時の支払いの受け付けや、スパム対策のメールアドレス確認など、一部の機能にはGoogle OneかGoogle Workspaceの有料プランが必要です。
もうひとつの制約は、予約を受ける単位が「1人のカレンダー」だという点にあります。担当者を指名してもらう形や、部屋・機材を同時に押さえる形には向きません。
LINE公式アカウントは、予約の窓口ではなく連絡の窓口です
LINE公式アカウントだけでは、空き枠の管理はできません。公式の説明では、「LINEで予約」は予約サービスとの連携が済んでいるアカウントで使う機能で、予約の受付そのものは連携した予約サービスが担います。
LINEをお客さまとの連絡に使い、予約ページは別のサービスに任せる、と分けて考えると整理しやすくなります。
連携すると、メッセージ内のボタンやプロフィールから予約ページへ案内できます。無料のコミュニケーションプランは、月額0円で月200通までメッセージを配信できます。この枠は追加できず、友だちが増えると、一斉配信だけで使い切りやすくなります。
チャットで予約を受ける形もありますが、枠の管理は全部手作業です。台帳に自分で書き写すことになり、返信の漏れや重なりが起きやすくなります。LINEで受けるなら、プロフィールの予約ボタンに予約ページのURLを設定して、予約はそのページで受ける形が現実的です。
無料プランのある予約サービスは、本格的に始めるなら第一候補です
担当者や設備が複数ある場合や、予約ページから空きを見て選んでもらいたい場合は、予約サービスの無料プランから始めるのが近道です。空き枠・顧客・決済を1か所で管理でき、Googleのサービスを組み合わせるよりも、確認の手間が減ります。
代表的な2つの無料プランを、公式ページで確認しました。
| 項目 | STORES 予約(フリー) | Airリザーブ(フリー) |
|---|---|---|
| 月額 | 0円 | 0円(初期費用も0円) |
| 予約の件数 | 月50件まで・予約ページ2つまで | 件数の上限なし |
| 使える機能 | 予約の受付、顧客管理、事前決済、現地払いの予約受付 | 予約管理、顧客管理、オンライン決済、予約確認メール |
| 使えない機能 | スタッフ指名、複数スタッフの設定、設備・備品の管理、一斉メール配信、SMS配信 | 予約前のリマインドメール、Googleカレンダー連携、複数店舗の切り替え |
| 有料プランの例 | スモール 月9,790円(年間契約・税込) | ベーシック 月5,500円(税込)でリマインドとGoogleカレンダー連携 |
同じ「無料」でも、制限の置き方が違います。STORES 予約は件数とページ数に上限があり、Airリザーブは件数に上限がない代わりに、リマインドなどの自動の連絡は有料プランの機能です。
自分の予約が「件数が多い」のか「連絡の手間が多い」のかで、合うサービスが分かれます。申し込みの前に、各社の公式の料金ページで、いま必要な機能が無料に入っているかを確認してください。見落としやすいのは、リマインドと決済です。
このほかにも無料プランのあるサービスは複数あり、業種向けに作られたものもあります。同じ業種の事例が載っているかを見ると、選びやすくなります。
無料で詰まりやすいのは、この6点です
無料の手段で足りなくなるのは、予約が増えたときだけとは限りません。次の6つは、予約が少なくても起きます。起きたときにどう手を打つかまで決めておくと、有料に移る判断がしやすくなります。

- 同じ時間の重なりフォームとチャットは、重なりを自分の目で見つけます。カレンダーの予約スケジュールと予約サービスは、空きの時間だけを出す作りなので、起きにくくなります
- キャンセルと変更フォームやLINEのチャットでは、連絡を受けて自分で表を直します。直し忘れが次の重なりの原因になるので、変更は必ず1か所の台帳に集めてください
- 前日の確認の連絡無断キャンセルを減らすには、前日の確認が効きます。自動で送れるかは手段によって違い、手で送ると毎日の作業になります
- お客さまの記録来店の回数や前回の内容が分からないと、同じ質問を毎回することになります。予約サービスは顧客管理が付き、フォームは回答の表を自分で整えます
- 支払い前払いを受けたいときは、決済に対応した予約サービスが必要です。Googleカレンダーの予約スケジュールは、無料の個人アカウントでは予約時の支払いを受けられません
- 個人情報氏名や電話番号は個人情報です。フォームの回答先の表計算を「リンクを知っている全員」に共有していないか、誰が見られるか、辞めた人の権限をどうするかを決めておきます
6つのうち、手作業が増えると一番つらいのは、前日の確認の連絡です。ここが、有料に移る最初のきっかけになりやすい部分でしょう。
有料に移る目安は、予約の件数・担当者・連絡の手間です
次の3つのうち、1つでも当てはまったら、有料プランを試す時期です。3つとも今は当てはまらないなら、無料のまま続けて構いません。
- 予約の件数無料プランの上限(STORES 予約なら月50件)に近づいたとき。上限が無いサービスでも、台帳への書き写しが追いつかなくなったら同じです
- 担当者や設備スタッフを指名して予約してもらいたい、部屋や機材を同時に押さえたい、という要望が出たとき。無料プランでは設定できないことが多い部分です
- 連絡の手間前日の確認、キャンセルの連絡、お礼のメッセージを手で送る時間が、毎日の仕事に響き始めたとき
有料プランの月額は、先ほどの2社の例で月5,500円〜1万円前後です。確認の連絡やキャンセル対応に毎月数時間かかっているなら、金額と見比べて判断できます。
移るときは、いまの予約データを書き出せるかを先に確かめます。フォームの回答は表計算にそのまま残るので、予約サービスへ顧客の名簿を取り込むときに使えます。
無料の手段で、実際に予約を受けてみる
診断で選んだ手段から始めます
詰まった点を書き出す
重なり・キャンセル・連絡など、手作業が増えた所を控えます
有料プランの既製サービスへ移る
書き出した点が、有料プランで解決するかを公式の機能表で確認します
それでも足りない点だけ、運用の工夫やAIで埋める
すぐに開発へ進まず、先に検討します
残った部分だけ、開発を考える
予約のルールが特殊な場合など、既製サービスでは合わない部分です
有料でも足りないときに、初めて開発を考えます
既製サービスを使っても、予約のルールが特殊で合わない、他のシステムとつなぎたい、という点が残ったときが、開発を考える時期です。先に開発を決めず、既製サービスの有料プランまで試してから判断すると、費用の面でも失敗しにくくなります。
アディザインでは、基本的には自社で開発するよりも、既製のサービスを使うほうがいいと思います。既製サービスで足りない部分も、運用のやり方で補えないか、AIで埋められる仕組みがないかを先に検討するのがよいでしょう。
開発が選択肢になるのは、予算と人手をしっかり組めて、集客や運用も十分にできていて、細かい作り込みにお金をかけたほうが全体の利益が大きくなる場合です。
公開後も改修の費用がかかり続ける点は、あらかじめ見込んでおいてください。
既製サービスか開発かの判断の仕方と、開発にしたときに費用が動く要因は、予約システム導入は既製サービスと開発のどちら?にまとめています。業務システムとして作る場合の考え方は、Webアプリ・システム開発のページで案内しています。料金はこれからも見直しが入るため、この記事には金額を載せていません。最新の内容は各ページでご確認ください。
よくある質問
Q. 無料のまま使い続けても、問題はありませんか?
予約が少なく、確認の連絡や書き写しに手間がかかっていなければ、無料のまま続けて構いません。無料プランは、サービス側の都合で機能や上限が変わることがあります。年に1回は、公式の料金ページで内容を確認してください。
Q. 無料の予約フォームで、ダブルブッキングは防げますか?
Googleフォームは、同じ時間への重なりを自動では防げません。時間ごとに別のフォームを作る方法もありますが、枠が多いと管理が大変になります。重なりを避けたいなら、空いている時間だけを出せるGoogleカレンダーの予約スケジュールか、予約サービスが向いています。
Q. 無料の手段から有料の予約サービスへ、あとで切り替えられますか?
切り替えられます。それまでのお客さまの名簿は、フォームの回答の表計算や台帳から書き出して取り込めるものが多いです。名簿を表計算で持っておくと、サービスを替えるときに楽になります。
出典と確認日
2026年10月2日に、各サービスの公式ページで確認した内容です。料金や上限は変わりやすいので、申し込む前に最新の内容を確認してください。