ADISIGN

BLOG

AI活用 2026.10.09

介護・福祉のAI活用はブログから|話して更新、めぶきさんの1on1

執筆:adisign

アディザイン・Web事業部の吉田です。

障がいのある方の訪問介護を運営され、グループホームの開設を準備されている福祉メディカルケアグループ株式会社(めぶき)の石原社長と、AIの1on1レクチャー(1対1の個別レクチャー)を始めました。初回は、石原社長が使われている OpenAI の Codex(コーデックス)をめぶきさんのホームページにつなぎ、ChatGPT に話しかけるだけでブログを更新できるようにしています。

介護や障がい福祉の仕事は、使う人が増え続ける一方で、働く人が足りません。厚生労働省の「令和8年版 厚生労働白書」によると、2025年度の有効求人倍率(仕事を探す人1人あたりの求人の数)は、介護関係の仕事が3.98倍、障害福祉関係の仕事が3.28倍で、全職業の1.10倍を大きく上回っています。人が足りないぶん、ホームページの更新や求人のように利用者さんと直接向き合う時間以外の仕事は、AIや仕組みに任せられるところから任せていくのが大事だと思います。

この記事では、初回にやったこと、次回に取り組む予定のこと、介護・福祉の需要と人手不足のデータをまとめています。介護や福祉の事業所で、AIを使って仕事を楽にしたい方の参考になればうれしいです。

めぶきさんは、障がいのある方の暮らしを支える会社

福祉メディカルケアグループ株式会社は、福祉サービスの共通ブランド「めぶき」として、障がいのある方とそのご家族の暮らしを支えられています。久留米市の事業所を拠点に、2026年8月から「訪問介護めぶき」でヘルパーの訪問(居宅介護・重度訪問介護・移動支援)を始められました。

看護師資格を持つスタッフさんも訪問され、たんの吸引など医療的ケアが必要な方にも対応されているのが特徴です。

いまは、少人数で暮らすグループホーム「MeBuKiホーム」の2027年春ごろの開設に向けて、準備が進んでいます。

訪問看護や福祉タクシー、ケアマネジャー(ケアプランを作る専門職)の事務所を運営する関連法人も石原社長が代表を務められていて、サービスどうしが連携しています。事業の詳しい内容は、福祉メディカルケアグループ株式会社さんのサイトで見られます。

アディザインとのお付き合いのきっかけは、この記事の最後に書いています。

初回は、話しかけるだけでブログを更新できるようにした

1on1の初回は、ホームページの更新とブログの更新を、AIでできるようにするところから始めました。

石原社長は、もともと OpenAI の Codex を使われています。Codex は、ChatGPT の中で使える、パソコンの作業やプログラムを任せられるAIです。

新しいツールを増やすより、すでに使われている Codex をホームページにつなぐほうが、毎日の仕事に入りやすくなります。そこで Codex と、めぶきさんのホームページの管理の仕組み(WordPress)をつなぎ、ChatGPT に話しかけると記事の下書きができあがってホームページに入り、社長に確かめていただいてから公開する形にしました。

キーボードで長い文章を打たなくても、話して伝えるだけなら、仕事の合間にもブログの材料を渡しやすくなります。

記事のテーマは、検索されている言葉から決める

ブログは、書けば読まれるものではありません。そこで初回では、AIに記事を書かせる前の「何を書くか」の決め方も伝えました。

まず、介護や福祉のサービスを探す人が実際に検索している言葉(検索キーワード)と、その言葉が月に何回くらい検索されているか(検索ボリューム)を調べます。そこから読まれる見込みのあるテーマを選び、記事の組み立てはAIに考えてもらう、という順番です。

検索上位を目指す記事が、公開されるまで
  1. 検索されている言葉を調べる

    サービスを探す人がどんな言葉で検索し、月に何回くらい検索されているかを見る

  2. テーマと組み立てを決める

    検索の多い言葉と、その検索で上位に出ている記事を見て、書くテーマと章立てをAIに考えてもらう

  3. 石原社長が現場のことを話す

    利用者さんとの関わり方、スタッフの工夫、ホームの準備の様子など、めぶきさんにしか書けないこと(一次情報)をAIに話す

  4. AIが記事にまとめる

    調べた言葉と、話した一次情報を合わせて、AIが記事の形に整える

  5. 社長が確かめて公開する

    中身を確かめてから、ホームページに載せる

組み立てる・まとめるはAIに任せ、現場のことを話すのと最後の確認は社長に受け持っていただく

AIだけでも、それらしい記事は書けるでしょう。ただ、ネットで集められる情報をまとめただけの記事は、同じような記事がほかにいくらでもあり、検索で選ばれにくくなります。

めぶきさんにしか書けない材料は、現場で実際に起きている出来事にあります。石原社長が話される一次情報を必ず入れるところまでを、記事の書き方として組み込みました。検索の言葉からテーマを決める考え方は、コンテンツSEOの記事でも紹介しています。

次回は、AIが数字を見て、自分で直す仕組みへ

次回のレクチャーでは、記事を出したあとの改善もAIに任せる仕組み作りに取り組む予定です。

次回に取り組む、自分で直す仕組み
  1. AIがレポートを出す

    ホームページの表示回数や読まれ方を、AIが定期的にまとめる

  2. 改善案を見つける

    読まれていない記事、検索で表示されているのにクリックされていない記事などから、直す所をAIが探す

  3. 直せる所は自動で直す

    タイトルの付け替えや内容の書き足しなど、AIで直せる所はAIがそのまま進める

  4. 足りない情報は社長に聞く

    現場の写真や具体的な話など、AIでは用意できない情報だけを、石原社長に求める

社長の出番を「AIが求めた情報を渡す」ところに絞り、改善を回し続ける形を目指す

この形ができれば、社長に毎回ホームページの数字を読み解いていただかなくても、改善が回り続けるはずです。同じ考え方の仕組みをグループ会社のブログで回した結果は、グループ会社のAIブログで検索の表示が約4倍になった記事にまとめています。

ただし、めぶきさんでの実装はこれからです。どんな形が合うかは、次回、石原社長と一緒に決めていきます。

石原社長は、AIに電話で相談しながら仕事を進められている

1on1で話していて、印象に残った話があります。

石原社長は、OpenAI が2026年9月に発表した新しいAIエージェント「dots(ドッツ)」を電話で呼び出し、話しながら相談されているそうです。dots は、こちらが決めた目標に向けて裏で作業を進めてくれるAIで、ChatGPT の上位のプランで使えるようになっています。

確か月100ドルのプランだったと思いますが、それでも、もう使える量が足りないとおっしゃっていました。AIにどんどん相談して作業が進んでいくのが、すごく楽しいし、すごく楽になったそうです。

それまでの石原社長はパソコンをバリバリ使うタイプではなく、ほとんどメールくらいにしか使われていなかったそうで、デスクトップに散らばったファイルも整理したいと話されていました。

いまはAIに話しかければ、ファイルの整理のような細かい作業から、文章や資料の作成まで任せられます。石原社長にも、AIでいろいろ効率化していただきたいと思っています。

介護・障がい福祉は、使う人が増え、働く人が足りない

介護・障がい福祉の事業は、これからも伸びていく分野です。そのぶん、人手不足の問題がついて回ります。公的なデータで見てみます。

まず需要です。厚生労働省とこども家庭庁がまとめた「障害福祉サービス等の最近の動向(令和8年3月まで)」によると、障害福祉サービスを使う人(障がいのある子ども向けのサービスを含む)は、2023年1〜3月の1か月あたり約148万人から、2026年1〜3月には約177万人に増えています。

3年で約29万人の増加です。

障害福祉サービスを使う人の数(各年1〜3月、1か月あたり)
  • 2023年の人数
  • 増えた人数
期間2023年の人数増えた人数
2023年148万人0万人
2024年148万人10万人
2025年148万人19万人
2026年148万人29万人

出典: 厚生労働省 障害福祉課・こども家庭庁 障害児支援課「障害福祉サービス等の最近の動向(令和8年3月まで)」(国保連データ。各3か月の平均。1万人未満は四捨五入)。2026年10月9日に取得

MeBuKiホームが計画しているタイプの1つ、「日中サービス支援型」のグループホームは、伸び方がさらに大きくなっています。同じ資料では、使う人が2022年4〜6月の8,202人から、2026年1〜3月には24,163人と、約3倍になりました。

次に、働く人です。介護の分野では、2022年度に約215万人だった介護職員が、2040年度には約272万人要ると見込まれています(厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」)。

一方で、人は集まりにくくなっています。令和8年版厚生労働白書にある2025年度の有効求人倍率は、冒頭のとおり介護関係が3.98倍、障害福祉関係が3.28倍です。全職業の1.10倍と比べると、福祉の仕事は、探している人1人に対して求人が3件以上ある状態になっています。

ヘルパーの不足はとくに大きく、介護労働安定センターの「令和7年度 介護労働実態調査」では、訪問介護員(ホームヘルパー)が足りないと答えた事業所が82.9%にのぼります。この調査は介護保険の事業所が対象ですが、ヘルパーが自宅を訪ねて暮らしを支える仕事は、障がい福祉の居宅介護とも重なります。

白書は、2040年に向けて、テクノロジーを上手に使いながら、人が担う支援の価値を高めていくことが欠かせないとまとめています。

介護・福祉の分野でも、AIで事務の負担を減らす動きは出てきました。北九州市は、市内の約2,000の介護事業所向けに、介護保険の制度の質問にAIが24時間答える「ケアナビKITAQ」を、2026年9月から無料で提供しています。

僕は、人が足りないからこそ、ホームページの集客や求人の仕組みをしっかり整え、AIで自動化できるところは自動化して、効率よく事業を進めるのが大事だと思います。めぶきさんでのブログの仕組みも、その一歩です。

ホームが完成したら、写真と記録が増えていく

MeBuKiホームは、いま建設が進んでいるところです。ホームページには、完成する前から準備の様子を残していく「MeBuKiホームができるまで」のページを用意しています。

めぶきさんのホームページの「MeBuKiホームができるまで」のページ。計画の進捗、物件や建設の状況、設備の選定とその理由などを記録していく項目が並ぶ

いまのサイトの写真は、ホームが建っていないため「イメージ写真」です。ホームが完成すれば、実際の部屋や設備の写真、入居される方を迎える準備の話など、めぶきさんにしか出せない写真と一次情報がどんどん増えていきます。

材料が増えるほど、ブログやホームページで伝えられることも増えます。話すだけで記事になる仕組みを先に作っておけば、増えた材料をそのまま集客や求人につなげられるはずです。

これからも、利用される方へのサービスを一番に、集客・求人・日々の仕事にAIとITの仕組みを入れて、効率化と、より良いサービスにつなげていきましょう、と石原社長とお話ししています。

利用者さんが特定できる話は、AIにも記事にも入れない

福祉のブログで一番気をつけたいのは、利用者さんの情報です。病気や障がいについての情報は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされ、とくに慎重な扱いが求められます。個人情報保護委員会の個人情報保護法ガイドライン(通則編)では、障害福祉サービスを受けていることも、その例に挙げられています。

なので、AIに話すときも、記事にするときも、利用者さんが特定できる話は入れないようにしてください。めぶきさんでは、記事は社長に確かめていただいてから公開する形です。社内でAIに入れてはいけない情報の決め方は、生成AIの社内ルールの記事にまとめています。

ブログをAIで回した結果(検索での表示回数・問い合わせ・応募)も、次回の自分で直す仕組みも、まだこれからです。結果が出てきたら、この記事の続きとして書きます。

自分の事業所で同じことを試したい人へ

AIでブログを書いてみたいときは、いきなり書かせる前に、検索されている言葉と、自分の事業所にしか書けない話を整理するところから試せます。ChatGPT・Gemini・Claude などに、次の文をそのまま貼って使ってみてください。

介護・福祉の事業所のホームページで、ブログを書きたいです。
書き始める前に、テーマと材料を一緒に整理してください。

【事業所のこと】
・ サービスの種類:(例:障がいのある方の訪問介護)
・ 地域:(例:〇〇市)

【お願いしたいこと】
1. このサービスを探す人や、そのご家族が検索しそうな言葉を20個挙げてください
2. その中から、ブログのテーマに向いているものを5つ選び、理由を教えてください
3. 5つのテーマそれぞれについて、事業所にしか書けない話を引き出す質問を3つずつ出してください

【条件】
・ 専門用語は使わず、普段の言葉で説明してください
・ 利用者さんの名前や病状など、個人が分かる情報は聞かないでください

AIが挙げた言葉が実際にどれくらい検索されているかは、Google が無料で提供しているGoogle 広告のキーワードプランナーなどで確かめられます。質問に答えるときは、利用者さんが特定できる話は入れないようにしてください。

社内でAIを使い始めるときの全体の進め方はAIの社内導入の記事に、採用のための情報の出し方は採用サイト制作の記事にまとめています。

最後に、めぶきさんとのお付き合いのこと

ご紹介をきっかけに、ホームページのリニューアルのご相談をいただいたのが、めぶきさんとのお付き合いの始まりです。リニューアルはアディザインで担当し、新しいホームページは2026年9月28日に公開されました。

ホームページだけでなく、スタッフさんへの連絡がLINEだけだった状態から、連絡網の作り方、ドメインやメールの整え方まで、仕事の土台になるところからアドバイスさせていただいています。AIの1on1も、その流れの中で始まったものです。

石原社長のところは、まさにこれから施設ができて事業が大きくなっていく段階なので、人が足りない中でもスタッフさんが本来の仕事に集中できるよう、AIとITの仕組みをこれからも一緒に整えていきます。

アディザインにAI活用を相談するなら

アディザインでは、社内でのAIの使い方を、会社ごとの仕事に合わせて一緒に考えています。

めぶきさんとの1on1のように、会社ごとの課題に合わせた個別のレクチャーのご相談は、お問い合わせからどうぞ。製造業のワキタハイテクスさんでの1on1や、採用支援のピークスキャリアさんでの1on1の様子も紹介しています。内容と料金は、それぞれのページで最新のものをご確認ください。

よくある質問

Q. パソコンにあまり慣れていなくても、AIでブログを書けますか?

書けます。めぶきさんでは、ChatGPT に話しかけると記事の下書きができあがる形にしたので、キーボードで長い文章を打つ必要はありません。公開の前に、中身を確かめるだけです。

Q. AIに書かせた記事でも、検索で上位に出ますか?

ネットで集められる情報をまとめただけの記事は、同じような記事がほかに多く、選ばれにくい傾向があります。検索されている言葉からテーマを決め、事業所にしか書けない現場の話(一次情報)を入れると、上位を目指しやすくなるでしょう。

Q. 福祉の事業所がAIを使うとき、何に気をつければいいですか?

利用者さんの病気や障がいに関する情報は、要配慮個人情報として慎重な扱いが求められます。AIに入れる情報、記事に書く情報に、利用者さんが特定できる話を入れないことと、公開の前に人が中身を確かめることを決めておくと安心です。

Q. 介護・福祉の人手不足は、どれくらい深刻ですか?

令和8年版厚生労働白書によると、2025年度の有効求人倍率は、介護関係の仕事が3.98倍、障害福祉関係の仕事が3.28倍で、全職業の1.10倍と比べると、介護関係は3倍以上、障害福祉関係も約3倍です。訪問介護員(ホームヘルパー)が足りないと答えた介護事業所は、82.9%にのぼります(介護労働安定センター、令和7年度介護労働実態調査)。

CONTACT

まずは、話すことから。

「何を頼めばいいか分からない」段階で構いません。ご提案・お見積りまでは無料です。つくるものが決まっていない状態からのご相談も歓迎します。