会社紹介動画の制作費に、決まった相場はありません。既存の写真や資料だけで組む動画と、新しく撮影や図解を起こす動画とでは、かかる工数がまったく別物になります。
「いくらですか」より先に効いてくるのは、「何を使って作るか」という条件です。同じ2分の動画でも、素材の有無ひとつで見積りは何倍にも変わります。
この記事では、金額を動かす具体的な要因と、依頼前に決めておくと見積りがぶれにくくなる項目を、モーショングラフィックス専業の制作現場の目線で整理します。
会社紹介動画には、いくつかの作り方があります
会社紹介動画とひとくちに言っても、作り方は大きく分けて3種類あります。
| 作り方 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 素材レイアウト型 | 既存の写真・ロゴ・資料をレイアウトし、文字とグラフィックの動きで見せる。撮影をせずに組める | すでに使える素材があり、短い工程で仕上げたいとき |
| 新規撮影・編集型 | 社員インタビューやオフィスの様子を新しく撮影し、その映像を編集してまとめる | 現場や人の表情など、既存素材では伝わらない空気感を見せたいとき |
| 作り込み型 | ドローン撮影・複数カメラ・外部ナレーターなど、演出を積み重ねる | 採用動画やブランドムービーなど、印象そのものを作り込みたいとき |
弁当を詰めるときと同じで、おかずの数と大きさ(用途・尺・素材の有無)を先に決めておかないと、あとから箱に収まらなくなります。どの作り方が向いているかは、まずこの3つの整理から見えてきます。
演出を作り込むほど関わる人数も工程も増え、その分の時間と費用がかかります。
金額を動かす4つの要因
見積りを比べるときは、金額そのものより、何が含まれているかを先に確認したほうがいいです。同じ「会社紹介動画」という名目でも、範囲によって金額は大きく変わります。
撮影が必要かどうか
特に効くことが多いのがここです。手元に使える写真・ロゴ・資料があれば、それを編集とモーショングラフィックスで組み立てるだけで動画になります。自転車のタイヤを替えるだけで走りが変わるように、フレームごと買い替える(=新規撮影から始める)前に、まず今ある部品(素材)で組めないかを確かめる価値があります。
新しく撮影が必要な場合は、撮影クルーの手配・ロケ地の調整・出演者のスケジュール確保という、編集とは別の工程が丸ごと増えます。編集・モーショングラフィックス専業の制作会社と、撮影クルーを抱える制作会社とでは、対応できる範囲がそもそも違うということも、見積りを比べるときに知っておくと役に立ちます。
動画の尺(長さ)
15〜30秒のSNS・広告用の短尺と、1〜3分の説明動画とでは、盛り込める情報量も、構成を練る手間も変わります。長くなるほど、伝えたい内容の優先順位をつける作業が重くなります。
演出の作り込み度
図形や文字が単純に動くだけの構成と、イラストやキャラクターを新しく描き起こしてアニメーションさせる構成とでは、制作にかかる時間が何倍も違います。オリジナルのグラフィックを増やすほど、費用は上がっていきます。
ナレーション・字幕・修正回数
合成音声で済ませるか、プロのナレーターを外部手配するかでも金額は変わります。また、絵コンテ(構成案)を確定したあとに大きな変更が入ると、作り直しに近い工程が発生し、納期と費用の両方に影響します。

依頼先によって、対応できる範囲が違います
動画制作会社と一言で言っても、得意な領域は会社ごとに違います。ロケ撮影から編集まで一貫して対応する会社もあれば、編集とモーショングラフィックスに特化し、撮影は専門の提携先に紹介する会社もあります。
私たちは後者にあたり、図解・文字・イラストで説明する動画づくりを専門にしています。サービス紹介動画やサイネージ放映用の映像、SNS・広告用の短尺動画といった、既存の写真・資料や、お客さまが撮影された素材をもとに組み立てる動画を得意分野にしています。ロケでの新規撮影が前提の案件は、提携先をご案内する形になります。
依頼を検討する段階で、「撮影から必要か」「手元に使える素材があるか」をまず整理しておくと、依頼先を選ぶときにも、見積りを比べるときにも判断がしやすくなります。
制作の流れと、依頼前に決めておきたいこと
制作は、ヒアリング→構成案・絵コンテ→素材準備→制作・修正→納品という順で進みます。構成案・絵コンテの段階でしっかり確認しておくことが、後戻りを防ぐいちばんのコツです。絵コンテが固まったあとに構成そのものを変更すると、作業のやり直しになりやすいので気をつけてください。
依頼前に、次の項目を決めておくと打ち合わせがスムーズです。
- 用途サイトのトップに置くのか、サイネージで流すのか、SNS広告で使うのかによって、必要な尺や比率が変わります
- 尺(長さ)短尺(15〜30秒)か、説明動画(1〜3分)かで、構成の練り方が変わります
- 素材の有無使える写真・ロゴ・資料があるか、新しく撮影が必要かを確認します
- 演出のレベルシンプルな文字と図形の動きでいいのか、オリジナルのイラスト・アニメーションまで作り込みたいのかを決めます
- 修正の想定回数絵コンテ確定後にどれくらい変更が入りそうかを、あらかじめ伝えておきます
具体的な料金プランと制作の流れは、デジタル動画制作にまとめています。
まとめ
会社紹介動画の費用は、撮影の有無・尺・演出の作り込み度・修正回数という要因で決まり、一律の相場を示しにくい領域です。まずは手元にある素材を整理し、どこまで新しく作る必要があるかを見極めるところから始めてみてください。
よくある質問
Q. 写真だけで会社紹介動画は作れますか?
作れます。既存の写真・ロゴ・資料をレイアウトし、文字とグラフィックの動きで見せる方法であれば、撮影なしで制作できます。
Q. ロケ撮影が必要な場合はどうすればいいですか?
編集・モーショングラフィックス専業の会社では、撮影クルーの手配まで対応していないことがあります。依頼前に、撮影から任せたいのか、素材はこちらで用意するのかを伝えておくと、話がスムーズに進みます。
Q. 制作にはどれくらいの期間がかかりますか?
内容にもよりますが、短尺動画で2〜3週間、1〜3分の説明動画で4〜6週間ほど見ておくと安心です。絵コンテの確認に時間がかかると、その分延びます。