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カタログデザインの作り方|探しやすい並べ方と、紙とWebの分け方

執筆:adisign

商品カタログのデザインは、見た目より先に、見た人が目当ての商品にすぐたどり着ける並べ方を決めると作りやすくなります。

カタログは、表紙から順に読まれるものではなく、必要な商品を探すときに開かれるものだからです。並べ方・1商品の載せ方・紙とWebの分け方の3つが決まっていれば、デザインはその3つに沿って組めます。

実際に、紙のカタログをどう出すかは大きな会社でも見直しが続いています。キヤノンはインクジェットプリンターの紙の総合カタログを2022年12月版で終え、ホームページや動画に移しました。モンベルも総合カタログを2025年秋冬号で終え、ウェブサイトの充実と、店舗に置く分野ごとの商品パンフレットに切り替えると案内しています。

この記事では、パンフレットとの違い、使う場面の決め方、並べ方、1商品の載せ方、ページ割り、写真、紙・PDF・Webの分け方、配ったあとのつなげ方、作る手順まで、順にまとめました。紙とホームページの両方をお手伝いしている会社の目線で書いています。

パンフレット全般の作り方はパンフレットの作り方、印刷の注文と入稿はパンフレット印刷の頼み方、デザインを頼むときの費用はパンフレット・チラシのデザイン依頼の費用に分けているので、ここではカタログならではのところに絞ります。

カタログとパンフレットの違いは、選んでもらうか、知ってもらうか

パンフレットは会社や1つのサービスを知ってもらうためのもので、カタログはたくさんの商品の中から、相手に選んでもらうためのものです。呼び方は会社によって混ざりますが、作り方はこの役割の違いで変わります。

パンフレットカタログ
役割会社・サービス・1つの商品を知ってもらう並んだ商品から選んで、問い合わせや注文につなげてもらう
読まれ方表紙から順にめくって読まれやすい目次・インデックス・索引から、目当てのページを探して開かれやすい
中身の中心強み・考え方・写真で伝える雰囲気商品ごとの写真・特長・仕様・型番
変わりやすさ会社概要や理念のように、数年変わらない部分が多い新商品・廃番・仕様変更・価格改定で、毎年のように変わる

一番大きいのは、最後の変わりやすさです。商品が入れ替わるたびに古くなるので、カタログは「刷ったあと、どう直すか」まで考えて作る必要があります。この点は、紙とWebの分け方の章で詳しく書いています。

1つの商品だけを紹介したい場合や、商品より会社を知ってもらいたい場合は、カタログよりパンフレットのほうが向いています。会社を紹介する冊子の中身は会社案内パンフレットに載せる内容で書いています。

作る前に、誰がどの場面でカタログを開くかを決める

カタログの作りは、開く人と開く場面で決まります。同じ商品を載せても、営業担当者が商談で開くのか、展示会で受け取った方が持ち帰って開くのかで、先に載せるべき内容が変わるからです。

開く場面開く人が確かめたいこと作りで気をつけたいこと
営業担当者が商談で開く自社の困りごとに合う商品があるか、ほかの商品と何が違うか用途ごとの入口ページを作り、説明しながら開ける順番にする
展示会で受け取り、あとで開く何の会社で、自分に関係のある商品があるか表紙と最初の見開きで、扱う分野と代表的な商品を見せる
問い合わせのあとに送られて開く候補の商品の仕様と、ほかの型との違い仕様表と比べやすい並びを充実させる
販売店・代理店の担当者が手元に置く型番・1箱あたりの数・寸法などを、すぐに調べられるか型番の索引と、仕様表の見やすさを優先する
ホームページからPDFを開くスマホやPCで、目当てのページに早く着けるか目次からページに飛べるようにし、ファイルを分野ごとに分ける

場面が2つ以上あるなら、主に使う場面を1つ決め、ほかの場面は別の形で補う考え方もあります。たとえば販売店向けの細かい型番一覧はPDFだけに置き、展示会では分野ごとの薄い冊子を配る、といった分け方です。

並べ方は、探す人が使う言葉に合わせて分類と索引を決める

商品の並べ方は、作る側の社内の分類ではなく、探す人が頭に浮かべる言葉で分けると探しやすくなります。社内では製品シリーズで呼んでいても、お客さまは「屋外で使える照明」のように用途で探していることがよくあるからです。

主な分け方を、向いているカタログと一緒に並べます。

分け方向いているカタログ気をつけたいこと
用途・場面で分ける初めて商品を選ぶお客さまが多い、一般向けのカタログ1つの商品が2つの用途に入るときは、片方に載せてもう片方から参照ページを示す
業種・使う場所で分ける業種ごとに選ばれる商品が違う、業務用のカタログ業種の数が多いと、同じ商品が何度も出てページが増える
シリーズ・ブランドで分けるすでに商品を知っている販売店・リピーター向けのカタログ初めての方には、どのシリーズを見ればいいかが分かりにくい
型番・品番の順に並べる型番で注文する、部品・消耗品のカタログ写真や特長が伝わりにくいので、選ぶための入口ページを別に作る

分け方を決めたら、探すための仕組みを3つ用意します。

  • 目次分類ごとの開始ページを並べます。分類の名前は本文の見出しと同じ言葉にそろえます
  • インデックスページの端に、分類ごとに色や文字の目印を付けます。閉じた状態でも、側面から目当ての分類を開けるようになります
  • 型番の索引巻末に型番とページ番号の一覧を置きます。型番で問い合わせが来る商品が多いカタログでは、これが一番使われます

ページ数が少ないカタログなら、インデックスと索引は省いてもかまいません。逆に、100ページを超えるような総合カタログで型番の索引が無いと、型番だけ分かっている人は、どの分類に載っているかを見当をつけてページをめくることになります。

1商品の載せ方は、型を先に決めて全商品でそろえる

1つの商品をどう見せるかは、写真・短い説明・仕様表の置き場所を型として決め、全商品で同じにするのが基本です。位置がそろっていると、見る人は2つ目の商品から迷わずに読めます。

型の中身は、次の4つを土台に考えます。

  • 写真商品の全体が分かる写真を1枚、使っている場面の写真か、細部の写真を必要に応じて足します
  • 短い説明誰の、どんな困りごとに向いているかを2〜3行で書きます。「高品質」「多機能」のように、どの商品にも当てはまる言葉だけで終わらせないようにします
  • 仕様表型番・寸法・重さ・素材・色・入数(1箱・1袋に入っている数)など。項目の並び順と単位を、全商品でそろえます
  • 関連する商品替えの部品・同じシリーズの大きさ違い・一緒に使う商品の型番とページ

見開きで1商品を大きく見せる商品と、1ページに4〜6商品を並べる商品のように、型を2〜3種類に分けることもあります。主力の商品だけを大きく見せる、という強弱が付けられます。

性能や効果を書くときは、裏づけを手元に置いておきます。一般のお客さまに向けたカタログで、商品の性能を実際より著しく良く見せる表示は、景品表示法の「優良誤認表示」にあたり、消費者庁は表示の裏づけとなる合理的な根拠の資料の提出を求めることができます。「◯◯に強い」「長持ち」と書く場合は、試験の結果などの資料があるかを、書く前に開発や品質の担当者に確かめておくと安心です。

ページ割りは、全ページの一覧表(台割)を作ってから決める

デザインに入る前に、何ページ目に何を載せるかを1枚の一覧表にまとめます。印刷やデザインの現場では、この一覧表を台割(だいわり)と呼びます。

台割を先に作るのは、冊子のページ数に決まりがあるからです。ホッチキスで留める中綴じは、紙を二つ折りにして重ねる作りなので、ページ数は4の倍数になります。たとえば印刷通販のグラフィックでは、中綴じの冊子は表紙を含めて8〜96ページ、背を糊で固める無線綴じは、部数の多い印刷に使われるオフセット印刷で16〜168ページの範囲で注文できます。ページ数の多い総合カタログは、無線綴じになることが多くなります。

台割には、ページごとに次を書きます。

  • ページ番号と、見開きの組み合わせ
  • 載せる分類と商品の型番
  • 使う型(見開き1商品/1ページ4商品など)
  • 写真・原稿がそろっているか

商品の数を数えて台割に入れていくと、4の倍数に合わず、ページが余ったり足りなくなったりします。余ったページには、用途から選ぶための早見表や、使い方の例のページを入れると、探しやすさにもつながります。

商品写真は、全商品を同じ条件で撮ってそろえる

カタログの写真は、1枚ずつの出来より、全商品で背景・向き・光・大きさがそろっているかのほうが見やすさに効きます。並んだ商品の写真の明るさや角度がばらばらだと、比べる前に目が止まってしまいます。

白い背景紙とライトを置いた撮影スタジオで、カメラマンが撮影台の上の商品をカメラで撮っている様子

撮影の前に、次を決めておきます。

  • 背景白の背景で商品だけを見せるか、使う場面の中で見せるか。カタログの中で混ぜる場合は、型ごとに使い分けを決めます
  • 向き正面・斜め45度・真上など。同じ分類の商品は同じ向きで撮ります
  • 大きさの見せ方小さい商品と大きい商品を同じ大きさで並べると、実物の大きさを取り違えられることがあります。寸法を仕様表に必ず書き、必要なら手に持った写真を足します
  • 色色違いの商品は、実物と見比べて色が合っているかを撮影の場で確かめます

手元に写真がそろっている場合でも、撮った時期や人が違うと、明るさと色味がそろわないことがよくあります。全部を撮り直すのが難しい場合は、主力の商品だけ撮り直し、残りは背景を白に整えるなど、見え方の差を小さくする方法もあります。

紙・PDF・Webは、変わりやすさと開く場面で分ける

カタログを紙で刷るか、PDFやWebで出すかは、どちらか一方に決めるより、変わりにくい部分は紙、変わりやすい部分はWebに載せると分けると考えやすくなります。

届け方向いている場面気をつけたいこと
紙の冊子商談で開きながら説明する、展示会で渡す、販売店の手元に置いてもらう新商品・廃番・価格改定のたびに古くなる。刷り直しまでの間は、正しい情報をどこで見てもらうかを決めておく
PDFホームページからダウンロードしてもらう、問い合わせのあとにメールで送るページ数が多いとファイルが重くなる。分野ごとにファイルを分け、目次からページへ飛べるようにする
Webのページ型番や用途で検索してもらう、新商品をすぐに載せる商品ごとのページを作る手間がかかる。紙との内容のずれが出ないよう、更新の担当を決めておく

大きな会社には、この3つを組み合わせている例があります。三菱電機の照明の総合カタログは2026年版で788ページあり、Webで見られるカタログ、PDFのダウンロード、スマホ・タブレットのアプリで公開されていて、紙のカタログは請求して取り寄せる形になっています。

価格の載せ方も、ここで決めておきます。価格を本文に刷り込むと、改定のたびに冊子ごと古くなります。本文には型番と仕様だけを載せ、価格は別紙の価格表やWebに載せる分け方にすると、価格が変わったときは価格表だけを直せば済みます。

どの組み合わせにするか迷ったら、次の診断で目安をつけてみてください。

カタログの届け方を選ぶ診断

    質問1

    新商品・廃番・価格の変更が、年に何度もありますか?

    前のカタログを作ってから、どれくらい内容が変わったかを思い出してみます

    質問2

    商談や展示会で、カタログを手渡しする場面がありますか?

    郵送やメールで送るだけなら「いいえ」です

    質問3

    商談や展示会で、カタログを手渡しする場面がありますか?

    郵送やメールで送るだけなら「いいえ」です

    あなたの場合

    紙の冊子を中心に、同じ内容のPDFも用意する形が向いています

    内容が長く使えるので、刷った冊子を無駄にしにくくなります。PDFはホームページに置いて、遠方の方にも渡せるようにします。

    「紙・PDF・Webは」の章を読む

    あなたの場合

    分野ごとの薄い冊子と、Webの商品ページを組み合わせる形が向いています

    手渡し用の冊子は代表的な商品に絞り、細かい型番や価格はWebに置きます。変わったときはWebだけを直せます。

    「紙・PDF・Webは」の章を読む

    あなたの場合

    Webの商品ページとPDFを中心にする形が向いています

    手渡しの場面が少なければ、紙の冊子にこだわる必要は小さくなります。PDFは分野ごとにファイルを分けておくと開きやすくなります。

    「紙・PDF・Webは」の章を読む

    配ったカタログを問い合わせにつなげるには、開く理由と次の一歩を用意する

    カタログは、渡しただけでは開いてもらえないことがよくあります。受け取った方の机には、ほかの会社のカタログや資料も届いているからです。開いた人が「この先を見たい」「聞いてみたい」と思う入口を、紙面の中に作っておくことが欠かせません。

    入口になる仕掛けは、商品や相手によって変わります。たとえば次のようなものがあります。

    • 用途から選べる早見ページ最初の見開きに「こんな場面ならこの商品」の早見表を置くと、目当ての商品がない方も、自分に関係するページに着けます
    • サンプルや試用の申し込み素材や手触りで選ばれる商品なら、見本を取り寄せられる案内を付けると、カタログを開いたあとの一歩になります
    • 型番から詳しいページへ飛べる仕組み仕様表の横にQRコードを置き、その商品の動画や、カタログに載せきれない図面・取扱説明のページへつなぎます
    • ショールームや実演の予約実物を見て決める商品なら、見られる場所と予約の方法を、商品ページの近くに置きます

    QRコードを載せるときは、読み取った先をホームページのトップにしないことが大切です。その商品のページや、カタログの続きとして作ったページにつなげないと、期待して読み取った方が目当ての情報を探し直すことになり、そのまま離れられてしまいます。印刷物からQRコードでホームページやSNSにつないで、その先で続きの情報を見てもらう連動は、私たちもよく行っています。

    難しいのは、つないだ先を用意し続けることです。商品ごとのページを作るには手間がかかり、カタログを刷り直すたびにQRコードの先も見直す必要があります。最初から全商品で用意しようとせず、問い合わせの多い主力の商品から始めると続けやすくなります。集客の入口と、その先の作り方はホームページ集客の方法一覧でも書いています。

    カタログを作る手順は、商品データを1つの表にまとめるところから始める

    カタログ作りで時間がかかりやすいのは、デザインより、商品ごとの写真・説明・仕様の材料を集めて、正しいかを確かめる作業です。手順は次の順に進めると、手戻りが少なくなります。

    商品カタログを作る順番
    1. 開く人と場面を決める

      営業・展示会・問い合わせ後・販売店のどれで主に使うかを書き出します

    2. 商品データを1つの表にまとめる

      型番・名前・分類・仕様・写真の有無を、スプレッドシートの1行1商品で並べます

    3. 並べ方と型を決める

      分類の軸と、1商品の載せ方の型を2〜3種類決めます

    4. 台割を作る

      何ページ目に何を載せるかを一覧にし、ページ数を決めます

    5. 写真と原稿をそろえる

      撮り直しが要る商品を洗い出し、説明文と仕様表を書きます

    6. デザインを組み、仕様を照らし合わせる

      型番・寸法・単位は、元の表と1つずつ照らし合わせます

    7. 紙・PDF・Webで公開する

      QRコードの先のページも、印刷の前に用意して試します

    商品データの表は、カタログができたあとも役に立ちます。Webの商品ページや、次の版のカタログを作るときの元の資料にそのまま使えるからです。

    説明文の下書きは、ChatGPTやClaudeのようなAIに手伝ってもらう方法もあります。商品データの表と「誰の、どんな困りごとに向いているか」を一緒に渡すと、型にそろった長さの説明文の下書きが出てきます。仕様や性能の言葉は、元の資料と照らし合わせてから使ってください。

    カタログの制作を相談するなら、使う場面と商品データの状態から伝えると進めやすい

    アディザインでは、カタログを含む冊子のデザインから、印刷の手配までお受けしています。デザインだけを先に決めるより、「誰がどの場面で開いて、そのあとどうしてほしいか」から相談していただくほうが、ホームページやSNSとのつなぎ方まで含めた提案がしやすくなります。

    商品データの表がどこまでそろっているか、写真を撮り直す必要があるかを一緒にお伝えいただくと、進め方も決めやすくなります。カタログや冊子のデザインを相談したい場合はグラフィックデザインのページを、QRコードの先の商品ページやホームページもあわせて見直したい場合はホームページ制作のページをご覧ください。料金は見直しが入ることがあるため、この記事には金額を載せていません。最新の内容は各ページでご確認ください。

    よくある質問

    Q. カタログは何ページくらいで作るのが一般的ですか?

    決まったページ数はありません。載せる商品の数と1商品あたりの型で決まります。ホッチキスで留める中綴じなら4ページごとに増やせるので、商品データの表から台割を作り、必要なページ数を数えてから決めるのが確実です。

    Q. 紙のカタログをやめて、Webだけにしてもいいですか?

    商談や展示会で手渡しする場面がほとんど無いなら、Webの商品ページとPDFを中心にする方法もあります。手渡しの場面がある場合は、分野ごとの薄い冊子とWebを組み合わせると、紙の良さを残しながら更新の手間を減らせます。

    Q. カタログに価格は載せたほうがいいですか?

    載せると比べやすくなる一方で、価格を改定するたびに冊子が古くなります。本文には型番と仕様を載せ、価格は別紙の価格表やWebに載せる形にすると、価格が変わったときに直す範囲を小さくできます。

    Q. 既存のカタログを作り直すときは、どこから始めればいいですか?

    まず、今のカタログで問い合わせや注文の多い商品と、ほとんど見られていない商品を、営業担当者や販売店に聞いて分けてみてください。よく見られる商品が探しやすい位置にあるかを確かめると、並べ方を変えるべきかどうかが見えてきます。

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    まずは、話すことから。

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