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パンフレットの作り方|自作できる範囲と、プロに頼む所の見分け方

執筆:adisign

パンフレットを作るときは、最初に、誰にいつ渡して、見たあとに何をしてほしいのかを紙1枚に書いてください。

そこまで決まれば、載せる内容の書き出しと、手書きのラフ(ページの配置を描いた設計図)は社内で進められます。デザインの仕上げと印刷用のデータを頼むかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。

自作は特別なことではありません。実際に、福岡県よろず支援拠点や商工会議所が、チラシを自分で作る講座を無料で開いた実績があります。一方で、初めて会う相手に会社の信頼性を判断してもらう会社案内は、途中から頼んだほうが安心な場面もあります。

この記事では、社内でできる手順を順に書き、自作か依頼かの分かれ目と、印刷前の確認、配ったあとの反応の見方までまとめました。紙とホームページの両方をお手伝いしている会社の目線で書いています。費用はパンフレット・チラシのデザイン依頼の費用の記事に分けたので、この記事では触れません。

パンフレットの作り方は、決める・書く・並べる・仕上げる・確かめる・配るの順に進める

パンフレットは、作る作業に入る前に決めることが多い制作物です。前半の3つ(決める・書く・並べる)は社内で進められるので、自作でも依頼でも、ここを先に済ませておくと後の話が早くなります。

パンフレットを作る順番
  1. 渡す場面・相手・してほしいことを決める

    紙1枚に、3行で書きます

  2. 載せる内容を書き出して、ページ数を決める

    内容が先、ページ数はあとです

  3. 手書きのラフで、ページごとの配置を決める

    見出しと写真の場所だけ置きます

  4. 文章と写真をそろえる

    AIの下書きと、手持ちの写真から始めます

  5. デザインを組む

    自作か依頼かは、この段階で決めます

  6. 印刷前に紙に出して確かめる

    文字・電話番号・QRコードを1つずつ見ます

  7. 配って、QRコードの先とつなぐ

    見た人が次に動ける場所を用意します

真ん中の「デザインを組む」の段階で、自作か依頼かの分かれ道が出てきます。判断のしかたは、あとの章で診断つきで書きました。

まず紙1枚に、渡す場面・相手・見たあとにしてほしいことを書く

書くのは3行だけです。どこで誰に渡し、見たあとに何をしてほしいかを、先に文字にしておきます。

たとえば工務店なら、次のようになります(架空の例です)。

  • 渡す場面見学会の受付で、初めて来た方に渡す
  • 渡す相手家づくりを考え始めたばかりで、まだ会社を決めていない方
  • 見たあとにしてほしいこと個別の相談日を予約してもらう

この3行があると、パンフレットの最後のページに何を書くかが決まります。相談日の予約なら、連絡先と予約のしかたをいちばん目立つ場所に置くことになるからです。

3行が書けないときは、パンフレットを作る準備がまだ整っていないサインだと思います。作り始めてから決めようとすると、出来上がったものが「会社の紹介はできているが、見た人が次に何をすればいいか分からない」状態になってしまいがちです。

アディザインにデザインだけを依頼される場合も、「何を伝えて、受け取った人にどうしてほしいか」から相談していただくほうが、ホームページやSNSとの連動まで含めた提案がしやすくなります。

載せる内容を書き出して、ページ数を決め、手書きのラフで並べる

内容を先に書き出してから、ページ数を数えるのが順番のコツです。ページ数を先に決めると、足りない分を埋める作業や、入りきらない分を削る作業になりやすくなります。

載せる内容は、読む人が判断に使う順に書き出す

会社案内なら、読む人は「この会社に頼んで大丈夫か」を見ています。何をしている会社か、ほかと何が違うか、実際に何をやってきたか、どこにいて、どうすれば連絡できるか、の順に付箋や箇条書きで出してみてください。

まだ言葉になっていないのが、ほかと何が違うか(強み)のところだと思います。強みが決まると、誰に向けたパンフレットにするかも決まってきます。実績があれば載せておくと、初めて見る人の安心材料になります。

ここで書き出した内容は、ホームページに載せる内容とほとんど同じです。紙とホームページで材料を共有しておくと、あとでつなぎやすくなります。ホームページ側の考え方は会社ホームページに必要なページにまとめています。

ページ数は、内容が決まってから数える

冊子のページ数は、4ページ単位で考えるのが基本です。ネット印刷会社のグラフィックが公開している作成ガイドにも、ページ数は4ページ単位で検討すると書かれています。

弁当は詰める前に、おかずの数と大きさを決めておかないと箱に入りません。パンフレットも同じで、書き出した内容が4ページに収まるのか、8ページ要るのかを、先に見積もっておきます。

手書きのラフで、1ページずつ見出しと写真の場所だけ置く

A4の紙を折って、実際のページ数のダミーの冊子を作ります。1ページずつ、見出しと写真を置く場所、文章の量を大きな四角で描いていきます。

表紙は、何の会社の何のパンフレットかが一目で分かることを最優先にします。入口の分かりにくいお店は、中がどんなに良くても入ってもらえません。表紙も同じで、最初の1ページで開いてもらえるかが決まります。

裏表紙には、連絡先と、あとで書くQRコードの置き場所を空けておきます。

文章と写真は、AIと手持ちの素材から始める

文章は、書き出した箇条書きをAIに渡して、下書きを作ってもらう方法が手軽です。ChatGPT・Claude・Geminiなどで、読む人と見たあとにしてほしいことも一緒に伝えると、見出し案と本文の下書きが出てきます。

AIに渡す頼み方の例を挙げておきます。

会社案内パンフレットの文章の下書きを作ってください。読む人は、家づくりを考え始めたばかりの方です。見たあとに個別相談を予約してもらえるよう、下の箇条書きに書いた事実だけを使ってください。書いていない数字や実績は、足さないようにお願いします。

下書きで必ず自分の目で確かめるのは、数字・年・実績・会社の事実です。AIは、もっともらしい数字を書き足してしまうことがあるので、元の資料と1つずつ照らし合わせます。

写真は、スマホで撮った自社の場所・商品・作業風景から始められます。明るい時間帯に撮り、表紙に使う1枚だけは特にていねいに選んでください。小さい写真を無理に拡大すると粗く見えやすいので、なるべく元の大きなデータを使います。

難しいのは人物や商品の撮影で、準備と段取りに時間がかかります。撮影ができるかどうかは、あとで自作か依頼かを決める判断材料にもなります。

自作するか頼むかは、渡す相手と、社内でそろうものの2つで決める

ここからが分かれ道になります。判断の軸は、初めて会う相手に会社を判断してもらうかどうかと、文章・写真・印刷データが社内でそろうかどうかの2つです。ほかの条件は、この2つのあとで考えれば足ります。

自作か依頼かを見分ける診断

    質問1

    初めて会う相手に、このパンフレットで会社を判断してもらいますか?

    営業・採用・展示会で渡す会社案内は、「はい」になりやすいです。取引先や既存のお客さまへの案内なら「いいえ」を選びます

    質問2

    載せる文章と写真は、社内でそろえられますか?

    手持ちの写真があり、文章の下書きまで作れそうなら「はい」です

    質問3

    印刷会社に出すデータを、入稿ガイド(印刷会社が出している、データの作り方の説明)を見ながら作れる人が社内にいますか?

    仕上がりの線より内側に文字を置く、色の設定をそろえる、といった作業のことです

    あなたの場合

    全部自作で始められます

    印刷する前に、社内の別の人に読んでもらい、紙に出して確かめる工程だけは省かないでください。

    「全部自作で始めてよいのは」の章を読む

    あなたの場合

    ラフと原稿まで自作して、仕上げを頼むのが向いています

    中身は社内で用意し、デザインの仕上げと印刷用のデータづくりだけを頼む進め方です。

    「ラフと原稿まで自作して」の章を読む

    あなたの場合

    最初から相談したほうが進めやすくなります

    何を強みとして伝えるか、写真をどう撮るかから、一緒に決めていくほうが、やり直しが少なくなります。

    「最初から相談したほうがいいのは」の章を読む

    3つの進め方を並べると、次のようになります。

    進め方向いている場面自分たちでやること気をつけたいこと
    全部自作する既に付き合いのある相手への案内、少ない部数、短期間だけ使うもの決める・書く・並べる・仕上げる・確かめるの全部入稿したあとは直せないので、確認を丁寧に行う
    ラフと原稿まで自作して、仕上げを頼む会社の印象に関わるが、中身は社内で用意できる場合3行の整理、ラフ、文章、写真、ロゴのデータ渡す材料の質で、仕上がりも打ち合わせの回数も変わる
    最初から相談する強みが言葉になっていない、写真の撮影から必要、ページ数の多い冊子3行の整理と、社内での確認進め方と範囲を最初にそろえないと、費用の見え方がずれる

    全部自作で始めてよいのは、限られた相手に少ない部数を渡す場面

    たとえば、既に付き合いのあるお客さまへの商品案内、採用説明会で使う補足資料、短い期間だけ使う案内などです。部数が少なければ、刷ってから手直しして刷り直すことも考えられます。

    自作を支える公的な資料も、無料で手に入ります。福岡県よろず支援拠点は、Canva(ブラウザで使えるデザイン作成サービス)でチラシを作る初心者向けの講座を無料で開いていて、印刷の方法まで扱っています。開催日程は各ページで確認してください。相模原商工会議所も、市内の事業者向けに同じ内容の講座を開きました。名古屋市は、広報紙づくりの手順とスケジュールをまとめたガイドブックと、WordのA4・A3のテンプレートを無料で公開しています。広報紙向けの資料ですが、手順の考え方はパンフレットにも使えます。

    ラフと原稿まで自作して、仕上げを頼む

    中身の用意までを社内で進め、デザインの仕上げと印刷データだけを頼む形です。

    AIでベースになるデザイン案を作り、印刷用のデータだけを整える進め方が広がりつつあります。そのぶん、費用そのもののトラブルは少なくなってきている印象です。頼む側が用意するのは、中身の部分になります。

    頼む前に、手元でそろえておくものを書き出します。

    • 3行の整理渡す場面・相手・見たあとにしてほしいこと
    • ラフページごとの見出しと写真の場所を描いた紙
    • 文章と写真下書きでもかまいませんが、事実は確認済みのもの
    • ロゴのデータと連絡先ロゴのファイルと、載せる社名・住所・電話番号・アドレス

    材料が整っているほど、打ち合わせの回数は少なくなります。事実の確認まで済んでいれば、やり取りも短く終わります。費用の内訳や金額の動き方は、パンフレット・チラシのデザイン依頼の費用で整理しました。

    最初から相談したほうがいいのは、強みが言葉になっていないときや写真から必要なとき

    強みが言葉になっていない段階で自作を始めると、会社概要をそのまま並べただけのパンフレットになりやすいです。ほかの会社と何が違うのかを一緒に整理するところから頼むほうが、結果的に手戻りが少なくなります。

    写真の撮影から必要な場合や、ページ数の多い冊子は、用紙・綴じ方・加工の選び方でも仕上がりが変わります。初めて会う相手への会社案内は、社内の確認者が複数になることも多く、それも最初に決めておきたい点です。

    依頼先の選び方は、ホームページ制作会社を選ぶときと近く、ホームページ制作会社の選び方の見積り比較の視点がそのまま使えます。

    印刷前に、紙に出して読み、電話番号とQRコードは実機で確かめる

    印刷したあとで間違いに気づくと、刷り直しの費用がかかります。印刷会社にデータを渡したあとは直せないので、その前に紙に出して確かめる時間を、日程の中に先に確保しておきます。

    自治体の広報紙の例ですが、豊明市の広報紙の印刷仕様書では、文字や色の確認(校正)を、最初の確認(初校)から色の確認(色校)まで4回行う前提になっています。パンフレットは規模が小さいものの、確認を1回で終わらせず、複数回に分ける考え方は同じです。

    自分たちで行う確認は、次の順で進めます。

    • 実寸で印刷して読む画面で見るより、紙に出すほうが間違いを見つけやすいです。折るパンフレットは、実際に折って見ます
    • 声に出して読む目で追うだけでは気づかない誤字や、読みにくい文が見つかります
    • 社名・住所・電話番号・アドレス・日付を、元の資料と1文字ずつ照らし合わせる間違えると、連絡が来なくなる部分です
    • QRコードをスマホで実際に読み取る先のページが正しく開くか、スマホで見やすいかまで確かめます
    • 社内の別の人にも読んでもらう書いた本人は、思い込みで読み飛ばしてしまいます

    画面と紙では、色の見え方が変わります。ネット印刷会社には、本番と同じ紙で色を確かめる色校正のサービスがあり、グラフィックの作成ガイドでも利用が勧められています。文字は、紙を切るときのずれで切れないよう、仕上がりの線から3mm以上内側に置くと同じガイドにあります。

    見やすさは、小さい文字や薄い色の文字がないかも確かめてください。横浜市が「わかりやすい印刷物のつくり方」というヒント集を公開していて、レイアウト・色・フォントの配慮を扱っています。

    配ったあとの反応は、QRコードの先を用意して初めて見える

    パンフレットは配って終わりではなく、渡した相手が次に動ける場所を用意するところまでが作り方です。印刷物は手に取ってもらえるのが強みなので、QRコードでホームページやSNSにつなぐ連動をよく行っています。

    展示会の1小間で、来場した男性が会社案内を眺めている様子

    ただ、QRコードを載せただけでは、読み取ってもらえません。見た人に「この先を見たい」と思ってもらう中身と、その先へ誘う仕掛けが、パンフレットの中に必要です。

    たとえば、次のようなものを用意します。以下は考え方の例です。

    • 載せきれなかった事例の続きが、QRコードの先で見られる
    • いくつかの質問に答えると、自社に合う進め方の目安が出る診断
    • 見学会や相談日を、その場で予約できる
    • 展示会で配った人だけが見られる資料や、くじ引きのような参加できる仕掛け

    「詳しくはこちら」と一言添えるだけでは、読み取る理由になりません。見たいと思わせる仕掛けを作ること自体が、いちばん手間のかかる部分だと思います。

    QRコードの先は、会社のトップページではなく、パンフレット専用のページにします。パンフレットで期待して読み取った人が、関係のない画面に着くと、すぐ離れやすくなります。専用ページなら、そのページを見た人の数から、パンフレットの反応も見やすくなります。

    難しいのは、印刷したあとに、QRコードもアドレスも直せない点です。長く使えるアドレスを選び、先のページの中身は、あとから更新できる形にしておきます。ホームページのアドレスは、wwwありとなしが混在しないよう転送で1本にまとめ、名刺とパンフレットで表記が違わないように揃えます。

    見た人が来たあとの受け皿も、大事な部分です。集客と問い合わせは別のもので、来た先で強みが伝わらなければ、そのまま離れられてしまいます。QRコードの先の作り方は、ホームページ集客の入口をまとめた記事でも触れました。反応の測り方はアクセス解析の記事にあります。

    紙のデザインと、QRコードの先のページを同じ会社で作れば、トーンをそろえたまま進められます。詳しくはグラフィックデザインとホームページ制作のページにまとめています。

    よくある質問

    Q. WordやPowerPointで作ったデータでも、印刷できますか?

    印刷会社によって、受け付けるデータの形式が違います。グラフィックの作成ガイドには、PowerPointのテンプレートからパンフレットを作る手順が載っています。作り始める前に、印刷会社の入稿ガイドで受付形式を確かめてください。

    Q. ページ数は、何ページにすればいいですか?

    内容を先に書き出してから決めます。冊子は4ページ単位で考えるのが基本で、折るパンフレットは折り方によってページ数が決まります。内容が少なければ、無理に増やさなくて大丈夫です。

    Q. 最初は何部くらい印刷すればいいですか?

    初回は、配る場面に必要な最小限の部数から始める進め方があります。反応を見てから増刷すれば、内容の直しも間に合います。印刷費は部数で変わるので、金額は費用の記事を参考にしてください。

    Q. AIで作ったデザイン案を、そのまま印刷しても大丈夫ですか?

    文章の事実確認と、画像の権利の確認が先です。AIが作った画像を商用で使えるかは、使うサービスの利用規約で違うので、印刷する前に規約を確かめてください。デザインの仕上げと印刷用のデータだけを頼む進め方もあります。

    Q. 頼むなら、いつ相談すればいいですか?

    デザインを作り始める前の、「何を伝えて、受け取った人にどうしてほしいか」を考える段階から相談していただくのが、いちばん進めやすいです。3行の整理が途中でも、ご相談いただけます。

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    まずは、話すことから。

    「何を頼めばいいか分からない」段階で構いません。ご提案・お見積りまでは無料です。つくるものが決まっていない状態からのご相談も歓迎します。