Google広告の費用には決まった料金表も最低額もなく、月にいくら使うかは自分で決めます。検索広告なら、広告がクリックされたときにだけ費用が発生し、1日の予算を決めておけば、ほとんどのキャンペーンで月の広告費はその30.4倍を超えません。
では自社はいくらにすればいいのか、というと、答えは「1件の問い合わせや注文に、いくらまで払えるか」から逆算して出てきます。同じGoogle広告でも、狙う言葉や地域でクリック1回の金額が大きく変わるので、他社の「月◯万円」はそのまま当てはまりにくいからです。
たとえば同じ地域でも、競合が多い言葉と、まだ広告を出している会社が少ない言葉とでは、クリック1回の金額の幅がかなり違ってきます。
この記事では、Googleの公式ヘルプをもとに費用の仕組みと請求の上限を整理し、自社の言葉の単価の幅を調べる方法と、予算を逆算する順番をまとめました。お金を払えば表示はされますが、それだけでは問い合わせにならない理由と、その対策も書いています。広告の運用と、広告の先のページの制作を一緒に手がけている会社の目線でまとめています。
Google広告の費用は、決まった料金ではなく自分で決める広告費
Google広告に、月額の基本料金はなく、決まった最低の出稿金額も案内されていません。費用は自分で決めた予算の範囲で、広告がクリックされた分だけかかる、と考えると分かりやすいと思います。
Googleの案内でも、キャンペーン(広告のまとまり)の費用はお客さまが自由に設定でき、その金額はいつでも調整できるとされています。
検索広告の費用は「クリック単価×クリック数」で決まります。クリック単価は、1回のクリックに払う金額のことで、自分で決めた上限より高くなることは基本的にありません。Googleの説明では、実際に請求される単価は、すぐ下の順位の広告を上回るのに最低限必要な金額で、多くの場合は上限を下回ります。
1日の予算と、月の請求の上限
予算は「1日の平均予算」で決めます。ここで少し分かりにくいのが、1日ぴったりその金額になるわけではない点です。
Googleの説明では、ほとんどのキャンペーンで、1日の費用は平均予算の最大2倍まで使われることがあります。そのかわり、1か月の費用は平均予算の30.4倍が上限になります。月に使いたい金額を30.4で割ると、1日の平均予算になります。
| 決めること | Googleの仕組み | 読み手が気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 1日の平均予算 | 日によって最大2倍まで使われることがある | 1日ごとの金額はぴったりにならない |
| 月の費用 | 1日の平均予算の30.4倍が上限 | 月に使いたい金額÷30.4で1日の予算を決める |
| クリック単価 | 実際の単価は上限を下回ることが多い | 上限は自分で決められる。自動で調整する設定もある |
| 消費税 | 日本ではGoogle広告に10%の消費税がかかる | 社内の予算は、消費税を足した額で見ておく |
消費税は見落とされやすいところです。Googleのヘルプでは、日本ではGoogle広告の売り上げに10%の消費税がかかると案内されています。月10万円分の広告費を使うと、消費税を含めた支払いは11万円になる、と考えておくと慌てません。
検索広告以外は、費用が発生するタイミングが違う
Google広告には、検索結果に出る検索広告のほかに、Webサイトやアプリの広告枠に出るディスプレイ広告、YouTubeの動画広告などがあります。ディスプレイ広告は表示回数で、動画広告は一定時間見られたときに費用が発生する方式もあります。
この記事では、Google広告の中でも最初に検討されることが多い検索広告の費用を中心に書いています。種類ごとの課金の違いはWeb広告の種類を比較で一覧にしています。
- 出典: Google 広告「予算と ROI の管理に役立つ広告費用管理ツール」(2026年10月5日確認)
- 出典: Google 広告ヘルプ「実際のクリック単価(CPC)」(2026年10月5日確認)
- 出典: Google 広告ヘルプ「1 日の平均予算について」(2026年10月5日確認)
- 出典: Google 広告ヘルプ「税金に関する情報」(日本の消費税の項)(2026年10月5日確認)
クリック1回の金額は、言葉・地域・広告の質で変わる
ネットでは「Google広告は月◯万円から」という目安をよく見かけますが、公的な機関や業界団体がまとめた相場は見当たりません。クリック1回の金額は、どの言葉で、どこに、どんな広告を出すかで大きく変わるので、一律の相場を出しにくいんです。
金額を動かすのは、主に次の4つになります。
| 要因 | 何が起きるか | 自社でできること |
|---|---|---|
| 言葉の競争 | 同じ言葉に広告を出す会社が多いほど、クリック単価は上がりやすい | 競合が少ない、より具体的な言葉(地域名や悩みを足した言葉)も候補に入れる |
| 地域と時間帯 | 出す地域や曜日・時間帯を絞ると、使う金額の総額が変わる | 対応できる地域・電話に出られる時間に絞る |
| 広告とページの質 | 広告とリンク先のページが検索した人に合っているほど、よい位置に出やすく単価も抑えやすい | 検索した言葉と、広告文・ページの中身をそろえる |
| 広告の種類 | 検索・ディスプレイ・動画で、費用の発生する条件が違う | 最初は1つの種類に絞って試す |
3つ目の「広告とページの質」は、意外と知られていないところです。Googleは、入札する金額だけでなく、広告やリンク先のページが検索した人にとって役立つかどうかも合わせて掲載の順番を決めています。お金を多く積んだ会社が必ず上に出る仕組みではありません。
順番が決まる仕組みはリスティング広告とはで詳しく書いています。
自社の言葉の単価の幅は、キーワードプランナーで調べられる
他社の相場を探すより、自社が出したい言葉のクリック単価の幅を、Googleの無料のツールで直接調べるほうが、予算を決める材料になります。使うのは、Google広告の中にある「キーワードプランナー」です。
キーワードプランナーでは、言葉ごとに1か月に何回くらい検索されているかの見積もりと、その言葉で表示される広告の費用の目安を確認できます。アディザインでも、SEOの言葉選びの最初の一歩として、このツールで検索数を調べることを勧めています。
使い方の流れは次のとおりです。
- Google広告のアカウントを作り、お支払い情報を登録する(キーワードプランナーの基本機能を使うのに必要です。広告を配信しなければ、広告費は発生しません)
- 「ツール」メニューから「キーワード プランナー」を開き、「新しいキーワードを見つける」を選ぶ
- 自社の商品・サービスを表す言葉を、いくつか入れる(「リフォーム 福岡」「キッチン リフォーム 費用」など)
- 出てきた一覧で、月間の検索数と、「ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯)」「(高額帯)」の2つの列を見る(検索結果の上のほうに広告が出たときの単価の幅で、過去30日の実績をもとにした目安です)
ツールの画面の名前や並びは、更新で変わることがあります。見つからないときは、Google広告のヘルプで「キーワード プランナー」と検索してください。
ここで出る単価は見積もりで、実際の金額とは違ってきます。それでも、自社の言葉が「1回数十円の言葉」なのか「1回数千円の言葉」なのかが分かるだけで、予算の桁を決める手がかりになります。
- 出典: Google 広告ヘルプ「キーワード プランナーを使う」(2026年10月5日確認)
- 出典: Google 広告ヘルプ「キーワード プランナーの予測について」(2026年10月5日確認)
月の予算は、1件の問い合わせに払える額から逆算する
月の予算は「いくらなら出せそうか」から決めるより、1件の問い合わせや注文に払える金額から逆算するほうが、出したあとの判断がしやすくなります。
逆算は、次の順番で進めます。
1件に払える額を出す
成約1件の利益と、問い合わせのうち成約する割合から出します
言葉のクリック単価の幅を調べる
キーワードプランナーで、出したい言葉の単価の幅を見ます
1件に必要なクリック数を見込む
ページに来た人のうち、何人に1人が問い合わせるかを仮に置きます
1件にかかる広告費を出して比べる
クリック単価×1件に必要なクリック数が、1件に払える額に収まるかを見ます
月の目標件数をかけて、1日の予算に直す
月の予算÷30.4が、1日の平均予算になります
計算の例を1つ挙げます。数字はすべて計算の流れを見せるために仮に置いたもので、相場ではありません。
リフォーム会社で、成約1件の利益が10万円、問い合わせのうち5件に1件が成約するとすると、問い合わせ1件に払えるのは、利益をすべて広告費に回したとしても2万円までです。
次に、出したい言葉のクリック単価を400円、ページに来た人の50人に1人が問い合わせると仮定すると、問い合わせ1件にかかる広告費は400円×50回で2万円になります。払える額と同じなので、広告費を引くと利益が残らない、ぎりぎりの計算になります。
月に5件の問い合わせを目標にするなら、月の予算は10万円、1日の平均予算は10万円÷30.4で約3,300円になります。
この計算で「1件にかかる広告費」が「1件に払える額」を大きく超えるなら、そのまま広告を出しても、出せば出すほど赤字になりやすい状態です。その場合は、単価の低い具体的な言葉に絞る、ページを直して問い合わせる人の割合を上げる、といった手を先に考えます。
最初は「ページに来た人の何人に1人が問い合わせるか」が分かりません。ここは仮の数字で始め、実際に出したあとの数字で置き換えていきます。そのためにも、問い合わせフォームの送信などを広告の画面で数える設定(コンバージョン計測)を、出す前に済ませておいてください。
少ない予算で始めるときに、知っておきたいこと
少額から始められるのはGoogle広告のよいところですが、予算が少ないと、数字が集まって判断できるまでに時間がかかることも知っておくと安心です。
自動の調整は、数字がたまるまで落ち着かない
Google広告には、問い合わせが増えるように単価を自動で調整する設定(自動入札)があります。Googleの説明では、設定を変えたあと新しい目標に合わせるまでに、問い合わせなどの成果が50回程度、または成果が出るまでの期間が3回程度かかることがあります。その間、画面には「学習中」と表示されます。
月に数件しか問い合わせが来ない予算だと、この調整がなかなか進みません。また、設定や目標の値を変えると、もう一度「学習中」になることがあります。出してすぐに何度も設定を変えると、いつまでも落ち着かない状態になりやすくなります。
予算を広げすぎると、どれも数字が足りなくなる
少ない予算を、いくつもの言葉や地域に分けると、1つあたりのクリック数がわずかになり、どの言葉が効いているのか判断できません。最初は、問い合わせにつながりやすい具体的な言葉を少数に絞り、そこで数字を集めてから広げていくほうが、お金の使い道がはっきりします。
クリックだけ増えて、問い合わせが来ないことがある
キーワードの指定が広すぎると、自社のお客さまにならない人にもクリックされます。リフォーム会社が「リフォーム」という言葉だけで出すと、自分で直す方法を調べている人まで広告を押すかもしれません。
広告の画面の「検索語句」のレポートでは、実際にどんな言葉で検索されて広告が出たかを確認できます。関係のない言葉が混ざっていたら、その言葉では出さない設定(除外キーワード)を足していきます。出したあと週に1回ほどこの画面を見て直すのが、広告費の無駄を減らすいちばん地道な方法です。
止めた日に、表示も止まる
広告は、広告の配信を止めた日に表示も止まります。広告で集めた問い合わせは、広告費を払い続けている間だけのものです。長く見つけてもらう土台は、検索結果に表示されやすくするSEOで別に作っていく必要があり、広告と並べて考えておくと、広告費だけに頼らずに済みます。SEOの基本はSEOとは?にまとめています。
- 出典: Google 広告ヘルプ「キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因」(2026年10月5日確認)
広告費が問い合わせに変わるかは、広告文と来た先のページで決まる
お金を払えば、広告は表示されます。ただ、表示されることと、問い合わせが来ることは別で、その間には人がどんどん減っていく段階があります。
最初に大きく減るのは、広告が表示されてからクリックされるまでの間です。表示された回数のうちクリックされるのはごく一部で、その割合は広告の画面の「クリック率」で確かめられます。下の図は、クリックされてページに来たあとに減っていく段階を表しています。
広告をクリックしてページに来た人広告の画面の「クリック数」
ここで減るなら、ページの最初の画面と広告文がかみ合っているかを見直す
ページを読み進めた人Googleアナリティクスで、ページがどこまで読まれたか
ここで減るなら、ページの中身と問い合わせの案内を見直す
問い合わせた人コンバージョン計測の数ここで止まりやすい
棒の長さは説明のためのイメージで、実際の割合は業種や言葉で大きく変わります。自社の数字を当てはめて、急に細くなる段を探してください。
広告文では、先を見たくなる中身を具体的に書く
検索結果には、自社の広告のほかに他社の広告や通常の検索結果も並んでいます。見ている人はひとつずつ丁寧に読むわけではないので、「リフォームならお任せください」のような、どの会社でも言える文は読み飛ばされやすくなります。
クリックしたくなるのは、検索した言葉への答えが見えている広告です。「キッチン リフォーム 費用」で検索した人には、費用の目安や施工事例の価格を載せたページがあることを、広告文の段階で伝えます。対応地域、見積りが無料か、事例の数など、その会社が実際に出せる具体的な情報を入れるほど、他社の広告と並んだときに選ばれやすくなります。
ただ、広告文を思いつきで1本書いて終わりにすると、どの言い方が効いたのかが分かりません。言い回しを変えた広告文を何本か用意し、クリックされる割合を比べながら入れ替えていく作業が続きます。広告文の下書きは、今はAIに作ってもらうこともできるので、案を増やす手間はかなり減らせます。
広告から来た人が最後に確かめる場所が、受け皿のページ
広告をクリックした人は、来た先のページで「この会社に頼んで大丈夫か」を確かめます。ここで自社の強みや実績が伝わらなければ、クリック1回分の広告費を払って、人が来て帰っただけで終わってしまいます。

お店でいえば、広告は看板で、ページは店内です。看板でキッチンの施工事例を掲げて呼び込んだのに、店内に見本も価格も見当たらなければ、お客さまはすぐに出ていきます。
ページで確かめたいのは、広告文で約束した中身(費用の目安・事例・無料見積りの案内など)がすぐ目に入るか、他社でなくこの会社を選ぶ理由が書かれているか、問い合わせの方法が迷わず分かるか、の3つです。
広告のランディングページ(LP)のご相談では、制作費だけを気にされる方が多いのですが、実際には、ページの制作費、広告費、広告で得た数字をもとにページを直していく費用の3つがかかります。広告費の予算を組むときは、ページを直す手間とお金も一緒に見込んでおくと、途中で止まりにくくなります。
ページに何を載せるかはランディングページの構成、作る費用の考え方はランディングページ(LP)の費用で書いています。
運用を頼むなら、広告費とは別に手数料がかかる
ここまでの広告費はGoogleに払うお金で、運用を会社に任せる場合は、それとは別に運用会社への手数料がかかります。手数料の決め方や、外注か自社かの判断はリスティング広告は外注か自社か?にまとめています。
アディザインでは、広告の運用もまず自社でやってみることを勧めています。書籍などで学びながら自分である程度運用できるようになってから代行を考えるほうが、任せる相手を見極めやすく、運用の中身も自分で把握しやすいからです。人手や時間がどうしても足りない場合に、代行を選ぶ流れになります。
自社で運用できるようになりたい場合は内製化支援、運用や広告のリンク先のページの制作・改善を相談したい場合はWeb広告運用のページをご覧ください。料金は今後見直される可能性があるため、この記事には金額を載せていません。最新の内容と料金は各ページと料金ページで確認してください。
よくある質問
Q. Google広告は、月いくらから始められますか?
決まった最低の出稿金額は案内されていないので、少額からでも始められます。ただ、予算が小さいと問い合わせの数が集まるまでに時間がかかり、判断が遅れます。1件に払える額と、月に何件ほしいかから逆算して決めると、出したあとに続けるかどうかを判断しやすくなります。
Q. 設定した予算より多く請求されることはありますか?
ほとんどのキャンペーンで、1日単位では平均予算の最大2倍まで使われる日があり、1か月では平均予算の30.4倍が上限になります。日本では請求額に10%の消費税がかかるので、税込みの金額で社内の予算を見ておくと安心できます。
Q. 広告が表示されただけで、費用はかかりますか?
検索広告は、クリックされたときに費用が発生します。表示されただけでは発生しません。ディスプレイ広告や動画広告には、表示回数や視聴で費用が発生する方式もあるので、申し込む前に課金の条件を確認してください。
Q. クリック単価の相場は、どこで調べればいいですか?
Google広告の中にあるキーワードプランナーで、出したい言葉ごとの費用の目安を確認できます。見積もりなので実際の金額とは違いますが、自社の言葉の単価の桁をつかむには十分役に立ちます。