リスティング広告は、Googleなどで検索した言葉に合わせて検索結果に出る広告で、費用はクリックされたときにだけ発生します。自社に向くかどうかは、お客さまが困ったときにその言葉で検索しているか、クリックした先のページで問い合わせや購入まで受けられるかが大きな分かれ目になります。
「リスティング広告という言葉は聞くけれど、何がどう出て、いくらかかるのかが分からない」という方に向けて、表示と課金の仕組み、SEOとの違い、向く会社と向かない会社、始める前に知っておきたい難しい点までを書きました。
外注か自社かの判断や、始める順番は別の記事に分けています。ホームページの制作と広告を一緒に手がけている会社の目線でまとめています。
リスティング広告は、検索した言葉に合わせて検索結果に出る広告
リスティング広告は、検索エンジンで言葉を入れたときに、その言葉に関連した広告が結果の画面に表示される仕組みです。検索広告、検索連動型広告と呼ぶこともあります。
自分の目で確かめるのがいちばん早いです。「エアコン 掃除 福岡」のように、自社の商品や仕事に関係する言葉を入れて検索してみてください。結果の上や下に「スポンサー広告」や「スポンサー」などと書かれた枠が並んでいれば、それがリスティング広告に当たります(表記は媒体や画面によって少し違います)。
出稿先はおもに2つあり、Googleの「Google広告」と、Yahoo!JAPANなどに出る「LINEヤフー広告」が代表的です。
お客さまが言葉を検索する
「エアコン 掃除 福岡」のような言葉を入れます
関連する広告が結果に表示される
表示されただけでは費用は発生しません
広告がクリックされる
ここで初めて費用が発生します
リンク先のページを見る
広告の内容と合っているかで結果が分かれます
問い合わせ・購入・来店予約
ここまで進んではじめて成果です
出典: LINEヤフー広告「検索広告の費用/料金」(2026年9月30日確認)
新聞や看板の広告は、見る人が探していなくても目に入ります。リスティング広告は逆で、探している人の画面に出せるのが特徴です。「困って検索した」その瞬間に、自社を見つけてもらえるかもしれません。
- 出典: LINEヤフー広告「検索広告の費用/料金」(2026年9月30日確認)
費用が発生するのは、クリックされたときだけ
リスティング広告の費用は、広告が表示された回数ではなく、クリックされた回数で決まります。LINEヤフー広告の説明でも、広告が掲載されてもクリックされなければ料金はかからないとされています。Googleの公式ヘルプでは、1回のクリックに対して請求される最終的な金額を「実際のクリック単価」と呼んでいます。多くの場合、自分で決めた上限より低い金額になります。
1日に使う金額の目安は、自分で決められます。LINEヤフー広告では、日ごとの予算を設定して使いすぎを防げると案内されています。
Google広告の「1日の平均予算」は、日によって設定した額の最大2倍まで使われることがあります。ひと月では、平均予算の30.4倍までが上限です。「いくら請求されるか分からない」という心配は、最初に予算を決めておくことで抑えられますが、1日ごとの金額はぴったりにならない場合があります。
- 出典: Google 広告ヘルプ「実際のクリック単価(CPC)」(2026年9月30日確認)
- 出典: Google 広告ヘルプ「1 日の平均予算について」(2026年9月30日確認)
どの広告が上に出るかは、金額だけでは決まらない
同じ言葉を狙う会社が複数いるとき、順番はGoogleの場合「広告ランク」で決まります。1回のクリックに支払う上限額(入札額)に加えて、広告と飛び先ページの質、検索した人の状況などを合わせた数値です。
Googleの説明では、広告やリンク先のページが検索した人にとって有用で関連性が高いほど、掲載位置が上がりやすく、クリック単価も抑えられる傾向にあるとされています。
つまり、お金を多く積んだ会社が必ず勝つ仕組みではありません。広告とリンク先のページが、検索した人の探しているものと合っているかで、同じ予算でも差が出ます。
- 出典: Google 広告ヘルプ「広告ランクについて」(2026年9月30日確認)
予算は、1件に払える金額から逆算する
いくらで始めるかは、LINEヤフー広告の案内が使いやすい考え方を示しています。1件のお客さまを獲得するのに払える金額に、目標にしたい件数をかけると、必要な予算の目安になります。たとえば1件1,000円で100件を目標にするなら、目安は10万円です(同社の案内の例)。
1件に払える金額は、自社の利益から考えます。問い合わせのうち何件が成約して、成約1件でどれだけ利益が残るか。それを超える金額を払うと、広告を出せば出すほど赤字になります。この計算は、外注でも自社運用でも最初に必要です。
SEOとの違いは、お金の払い方と、やめたあとに残るもの
検索結果に出る方法には、リスティング広告のほかにSEO(広告ではない通常の検索結果で見つけてもらう取り組み)があります。どちらが正しいということはなく、性格が違います。
| 比べる点 | リスティング広告 | SEO |
|---|---|---|
| 費用の払い方 | クリックされた分の広告費を媒体に払う | 掲載自体に媒体への支払いは要らない(ページ作りや改善の手間はかかる) |
| 出るまでの早さ | 設定して審査を通れば、表示が始まる | 順位が動くまで時間がかかる |
| やめたとき | 費用を止めれば表示も止まる | 作ったページは残り、見つけてもらえる状態が続く |
| 結果の中での場所 | 「スポンサー広告」などと書かれた枠 | 広告の下に並ぶ通常の結果 |
リスティング広告は、今すぐ反応がほしいときに向く速さがあります。一方でSEOは、成果が出るまでに時間がかかる代わりに、積み上げた分が資産として残ります。
広告で早く反応を取りながら、SEOで長く効く土台を作る併用も選べます。SEOの基本はSEOとは?にまとめています。
向く会社と向かない会社は、4つの質問で見当がつく
リスティング広告が力を出すのは、探している人がいる場面です。逆にいえば、誰も検索しない商品には出しどころがありません。向き不向きは、次の4つの質問で見当がつきます。答えると、次に読む場所へ案内されます。
あなたの場合
別の手段から
検索される言葉が少ないなら、SNSやチラシなど、検索されなくても届く手段が先です
「向いていないのは」の章を読む
あなたの場合
広告費が合わない
1件の利益が小さいと、広告費で赤字になりやすくなります。1件に払える金額を先に出しましょう
「向いていないのは」の章を読む
あなたの場合
飛び先を先に整える
広告より先に、クリックの先のページを整えましょう
「クリックされても」の章を読む
あなたの場合
小さく試せる
予算を決めて、小さく試してみる段階です。まず自分の検索で競合の様子を見ましょう
「まず自分でできる」の章を読む
あなたの場合
受け付けを整える
広告の前に、問い合わせを受ける体制を整えましょう
「問い合わせがあったことを」の章を読む
診断の答えを、もう少し詳しく見ていきます。
向いているのは、困ったときに検索されるサービス
水まわりの修理、鍵の交換、税理士や行政書士への相談、エアコンの掃除、リフォームなど、困ったときに言葉で検索して探すサービスは、リスティング広告と相性がよい傾向にあります。探している人がその瞬間に画面を見ているので、自社を知ってもらいやすいのです。
もうひとつの条件は、1件のお客さまから得られる利益が広告費を払っても残ることで、単価が高いサービスやリピートで長く付き合う商売は、この条件を満たしやすくなります。
向いていないのは、検索されない商品や、利益の小さい商品
まだ世の中に名前のない新しい商品は、誰もその言葉で検索していないので、出しどころがありません。見た人に興味を持ってもらう手段のほうが合います。SNSでの発信や、展示会、チラシなどです。
1件あたりの利益が小さい商品は、広告費のほうが大きくなって、広告を出すほど苦しくなることがあります。競合が多い言葉を狙うときも、クリック単価が上がりやすい傾向にあり、少額の予算では試す回数を確保しにくくなります。
始める前に知っておきたい、リスティング広告の難しいところ
ここまで読むと、「出せばお客さまが来る仕組み」に見えるかもしれません。実際には、うまくいかない原因になりやすい点がいくつかあります。
クリックされても、問い合わせになるとは限らない
広告は入口を作るだけです。クリックした先のページで自社の強みが伝わらなければ、費用を払って人が来ただけで終わります。集客と問い合わせや購入は別のもので、リンク先のページが弱いと、広告費だけがかさみます。
広告の文とリンク先のページの内容も合わせておいてください。広告で「無料で相談できます」と言っておきながら、ページにその案内が無ければ、来た人はすぐに戻ります。
もうひとつ、来てほしい人と違う人が来る場合があります。広告の言葉が広すぎると、自社のお客さまにならない人にもクリックされ、費用だけが使われます。
数字を見て直す時間が要る
出して終わりの広告ではなく、どの言葉でクリックされて、何件の問い合わせになったかを見て、設定を直していく仕事です。最初から思った通りの数字になることは少なく、しばらくは試して直す期間だと考えておくと安心できます。
広告の文やキーワード候補の下書きは、今はAIに頼んで自社で作ることもできます。ただ、出てきた案がそのまま最適とは限らないので、数字を見ながら直すところは人が担います。
問い合わせがあったことを、広告の画面で数える準備が要る
問い合わせフォームの送信や電話のタップを、広告の画面で数えられるようにしておかないと、どの言葉が問い合わせにつながったかが分かりません。この設定は広告を出す前に済ませます。
掲載できる表現には決まりがある
広告は媒体の審査を受けます。表現によっては掲載できないことがあります。景品を付けるときは、景品表示法で金額の制限もあります。広告文を決める前に、Google広告やLINEヤフー広告の広告ポリシーと法令を確認してください。
まず自分でできる、3つの確かめ
広告を出すと決める前に、費用をかけずにできる確かめがあります。
- 自社の商品や仕事に関係する言葉を3つ選び、実際に検索する
- 「スポンサー広告」などと書かれた枠に、どんな会社が出ているかを見る
- その広告のリンク先のページを開き、自社と比べる
まずは費用をかけずに、検索結果を自分の目で見てみてください。出ている会社が多く、リンク先のページの作りも整っているなら、その言葉は競争が激しい可能性があります。出ている広告が少ないなら、まだ空いている言葉かもしれません。ただし、広告が出ていない理由が「そもそも誰も検索しない」ことである場合もあるので、決めつけないでください。
リンク先のページを見るときは、自社のページに足りないものを書き出しておくと、次に何を直すかが決まります。広告に限らず、人が来たくなる中身と誘導の仕掛けを用意する考え方は、ホームページ集客の方法一覧でも書いています。
外注するか、自社で始めるかは別の記事で
運用会社に任せるか、自社で運用するかの判断は、費用の中身とあわせてリスティング広告は外注か自社か?にまとめています。広告以外の媒体も含めた最初の決め方は、Web広告の始め方をご覧ください。
リンク先のページを新しく作る場合の費用の考え方はランディングページ(LP)の費用の記事、ページに何を載せるかはランディングページの構成で書いています。
広告もホームページも、まとめて相談できます
広告の成果は、広告の設定だけでなく、クリックした人が見るページとのつながりで決まります。アディザインでは、広告の運用と、リンク先のページの制作・改善、広告に使う動画素材の制作を、同じ会社で手がけています。
いま出している広告の運用だけを任せる、といったご相談にも対応しています。内容と料金はWeb広告運用のページで確認してください。料金は今後見直される可能性があるため、この記事には金額を載せていません。
自社で広告を運用できるようになりたい場合は、内製化支援のページもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. リスティング広告は、少額でも出せますか?
出せます。LINEヤフー広告の料金の案内には最低の出稿金額の記載がなく、日ごとの予算を設定して使いすぎを防げます。ただし、予算が小さすぎると、クリックの数が集まるまでに時間がかかります。
Q. 広告が表示されただけで、費用は発生しますか?
発生しません。費用は、広告がクリックされたときに発生します。表示されただけで、クリックされなければ料金はかかりません。
Q. リスティング広告を出すと、SEOの順位も上がりますか?
広告を出すこと自体で、通常の検索結果の順位が上がるわけではありません。広告と通常の検索結果は別の枠で、仕組みも別です。両方を併用して、広告で早く反応を取りながら、SEOで長く効く土台を作る進め方はあります。
Q. 出せばすぐに問い合わせが来ますか?
表示は早く始まりますが、問い合わせになるかは、言葉の選び方とリンク先のページで決まります。最初の数か月は、数字を見て直しながら、自社に合う形を探す期間だと考えてください。
Q. Google広告とLINEヤフー広告は、どちらから始めればいいですか?
どちらも、検索した人に広告を出す仕組みと、クリックで課金される点は同じです。お客さまが普段使っている検索エンジンに合わせて選びます。判断がつかない場合は、まず片方から小さく始めて、数字を見ながら広げる進め方があります。