アクセス解析で最初にやるのは、無料のGoogleアナリティクス(GA4)で3つの数字を見て、止まっている場所を1か所だけ直す作業です。
3つとは「どこから来たか」「どのページが読まれているか」「問い合わせまで進んだか」を指します。アクセス解析と聞くと難しいグラフや専門用語を思い浮かべる方も多いと思いますが、中小企業のホームページで最初に役立てるなら、この3つが分かれば十分なんです。
「うちのサイトなんて誰も見ていないと思う」というご相談をいただいて、実際に数字を調べてみると、思っていたより人が来ていた、ということもあります。来ているのか来ていないのかで、直す場所はまったく変わります。
この記事では、アクセス解析で分かること、無料で始められるツールの違い、最初に見る3つの数字と画面の場所、読み違えやすい数字、数字を見たあとに直すことを、順番にまとめました。ホームページの制作と、公開後の集客のお手伝いをしている会社の目線で書いています。画面の名前と数字の定義は、2026年9月27日に各社の公式ヘルプで確認した内容です。
アクセス解析で分かるのは、来た人が「どこから来て、何を読み、どこまで進んだか」
アクセス解析は、ホームページに来た人の動きを数字で確かめる作業を指します。分かるのは、どこから来て、どのページを読み、問い合わせまで進んだかという流れで、誰が来たかという個人の名前までは分かりません。
お店にたとえると、「今日は何人が店に入り、どの棚の前で足を止め、何人がレジまで来たか」を数えるようなもので、お客さまの顔と名前は分からなくても、店のどこで人が止まっているかは見えてきます。
ホームページは、見た人の反応が目に入りにくいのが難しいところです。電話やメールが来なければ「反応がない」としか分かりませんが、アクセス解析を入れると、反応がない理由を「人が来ていない」「来ているのに途中で帰っている」のどちらかに切り分けられます。
実際に、問い合わせがほとんど来ないと思われていたサイトを調べたら、ページが毎月のべ3,000回ほど見られていた、という実例もありました。その実例と、そこから問い合わせが増えるまでの流れは、ホームページの問い合わせを増やすには?で紹介しています。
無料で始められるツールは3つ。受け持つ場面が違う
中小企業のホームページなら、まずは無料のツールで足ります。よく使われるのは次の3つで、それぞれ受け持つ場面が違うので、1つで全部を見ようとしないのがコツです。
| ツール | 見られること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Googleアナリティクス(GA4) | 何人来たか、どこから来たか、どのページが読まれたか、問い合わせまで進んだか | 最初に入れる基本のツール。サイトに来てからの動きを見る |
| Google Search Console(サーチコンソール) | Googleの検索結果に何回出て、何回クリックされたか。どんな言葉で検索されたか | 検索から来る人を増やしたいとき。サイトに来る手前を見る |
| Microsoft Clarity | ページのどこが押されたか、どこまで下に読まれたかを色で見せる(ヒートマップ)。1人ずつの操作の録画 | ページの中で、どこで読むのをやめているかを見たいとき |
GA4とサーチコンソールは、見ている場面が違うので、どちらか一方で足りるものではありません。サーチコンソールの毎月の見方は、サーチコンソールの使い方にまとめました。
Microsoft Clarityは、Microsoftの公式の案内で、無料で使え、アクセスの多さによる上限も有料版への切り替えもないと説明されています。押された場所の色分け(クリックマップ)や、どこまで下に読まれたか(スクロールマップ)が見られます。
入れるときに1つ気をつけたいのが、見た人の端末に小さな記録を残す仕組み(Cookie)を使う点です。公式の案内でも、サイトを見る人にそのことを知らせるよう求めています。プライバシーポリシーのページに、Microsoft Clarityを使っていることを一文書き添えておきましょう。
GA4が入っているか分からないときは、自分で探すより、今のサイトを作った制作会社に「アクセス解析は入っていますか。自社のGoogleアカウントでも見られるようにしてもらえますか」と聞くのが早道です。気づいていないだけで、すでに入っていることもよくあります。自分で入れる場合の手順は「Googleアナリティクスとは?入れ方と問い合わせを数える設定」にまとめました。
何のためのホームページかを先に決めてから計測を入れるのがよいと思います。問い合わせを増やしたいなら問い合わせの件数を、採用なら応募の件数を数えられるようにしておかないと、あとで効果を比べたくなったときにデータがそろっていない、ということが起こりやすいからです。
- 出典: Google マーケティング プラットフォーム「Google アナリティクス」、Microsoft Learn「Clarity FAQ」、同「Heatmaps overview」(2026年9月27日確認)
最初に見るのは3つの数字
GA4にはたくさんの画面がありますが、最初に見るのは3つで足ります。どこから来たか、どのページが読まれているか、問い合わせまで進んだかを、月に1回同じ画面で見てください。
画面の期間は、右上の日付の欄で変えられます。最初は「過去28日間」くらいで見ると、曜日による上下がならされて全体をつかみやすいはずです。
どこから来たか
左のメニューの「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開くと、来た人が経路ごとに分かれて並びます。検索から来た人(Organic Search)、アドレスの直接入力やブックマークから来た人(Direct)、ほかのサイトのリンクから来た人(Referral)、SNSから来た人(Organic Social)などに分かれます。
ここで読み取りたいのは、まだ自社を知らない人が来ているかどうかです。目安になるのは、検索(Organic Search)から来た人が全体のどれくらいを占めているかで、直接入力(Direct)がほとんどなら、すでに取引のある方や関係者が見に来ている割合が高いと考えられます。
検索から来た人が多くても、社名で調べた人ばかりなら事情は同じです。どんな言葉で検索されたかはGA4では分からないので、サーチコンソールの「検索結果」の画面で、社名以外の言葉が並んでいるかを見てください(見方はサーチコンソールの使い方にまとめました)。経路ごとの見分け方は、ホームページの問い合わせを増やすには?の最初の章でも詳しく書いています。
- 出典: Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] トラフィック獲得レポート」(2026年9月27日確認)
どのページが読まれているか
「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開くと、ページごとの「表示回数」と「平均エンゲージメント時間」が並びます。平均エンゲージメント時間は、そのページがブラウザで開かれて、実際に画面に表示されていた時間をもとにした数字です。ほかのタブの裏に隠れていた時間は数えないので、実際に読まれているかの目安になります。
何秒なら短い、という決まった線はありません。自社のほかのページと並べて、表示回数が多いのに時間が極端に短いページがあれば、開かれてもすぐ閉じられている可能性があります。記事やサービスのページを増やしていく段階では、表示回数だけで喜ばず、この時間も一緒に見てください。読まれていないページをいくら足しても、問い合わせにはつながりにくいからです。

一覧をよく見られている順に並べると、意外な結果が出ることがあります。私たちがアクセス解析をしていてよく見かけるのは、トップページの次に会社概要がよく見られているという並びです。会社概要は、依頼する前に「ちゃんとした会社か」を確かめに来る人が読むページなので、そこからサービスや実績へ進めるリンクを置いておくと、思った以上に効くことがあります。
もう1つ、「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」では、来た人が最初に開いたページが分かります。ここでいうランディングページは、広告用に作る縦長のページ(LP)とは別の意味で、トップページに限らず、最初に開かれたページ全般を指します。検索からブログ記事に直接来ている人が多いなら、その記事がサイトの入口の役目を果たしています。
- 出典: Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] ページとスクリーンのレポート」、同「[GA4] ユーザー エンゲージメント」、同「[GA4] ランディング ページ レポート」(2026年9月27日確認。ランディングページのレポートが左のメニューに見当たらない場合は、編集の権限がある人がメニューに追加し直せると案内されています)
問い合わせまで進んだか
最後に、問い合わせの件数を見ます。問い合わせのフォームを送ったあとに完了のページ(「送信ありがとうございました」のページ)が出るサイトなら、「ページとスクリーン」でその完了ページの表示回数を見れば、おおよその件数が分かります。
きちんと数えるには、GA4で問い合わせの送信を「キーイベント」(会社にとって大事な行動)として登録しておきます。登録しておくと、どの経路から来た人が問い合わせてくれたかまで分かるようになります。登録の考え方と、問い合わせページを開いた人・送信した人の数を並べて比べる方法は、ホームページの問い合わせを増やすには?にまとめました。
- 出典: Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] キーイベントについて」(2026年9月27日確認)
読み違えやすい数字は、先に知っておく
数字は見られるようになっても、読み方を間違えると、効かない場所を直すことになります。特にGA4の直帰率は、昔の説明のまま読むと意味がずれるので注意が必要です。
よくある思い込み直帰率が高いのは、1ページだけ見て帰った人が多いということ
実際の意味GA4の直帰率は、10秒以上いた・2ページ以上見た・問い合わせなどの大事な行動をした、のどれにも当てはまらなかった訪問の割合
よくある思い込み先月より数字が減ったから、サイトの調子が悪い
実際の意味季節や曜日で上下するのはよくあること。同じ長さの期間や、去年の同じ時期と比べて判断する
よくある思い込み表示回数が多いページは、よく読まれている
実際の意味開いてすぐ閉じられていることもある。平均エンゲージメント時間と一緒に見る
よくある思い込みGA4とサーチコンソールの数字が合わないのは、どちらかが間違っている
実際の意味数え方が違うので、合わないのが普通。それぞれの中で増えたか減ったかを見る
GA4のヘルプでは、10秒以上続いた、キーイベントが発生した、2ページ以上見られた、のどれかに当てはまる訪問を「エンゲージメントのあった訪問」と呼んでいます。直帰率はその反対で、どれにも当てはまらなかった訪問の割合を指します。
つまり、1ページだけ読んで帰った人でも、10秒以上そのページにいれば直帰には数えられません。昔の説明のように「1ページで帰った人の割合」と読むと、数字を実際より悪く受け取ってしまいます。GA4の直帰率が高いページは、10秒もたたずにページを閉じた人が多いということなので、ページの最初の画面に、検索した人の知りたい答えが見えているかを確かめるのが先です。
サーチコンソールのヘルプでも、ロボットのアクセスを取り除く処理や、日付の区切りに使う時刻の違いなどで、GA4などほかのツールと数字が異なる場合があると説明されています。
社内の人のアクセスを数えないようにしておく
社員が自社のサイトを毎日開いていると、その分も数字に入ってしまいます。社内の人数が多い会社や、担当者が更新のたびに何度もページを開く会社では、数字が実際よりふくらみやすくなります。
GA4では、会社のインターネット回線に割り当てられた番号(IPアドレス)を登録して、そこからのアクセスを数えないようにできます。手順は2段階です。
- 「管理」→「データの収集と修正」→「データ ストリーム」で自社のサイトを選び、「タグ設定を行う」→「すべて表示」→「内部トラフィックの定義」で、会社のIPアドレスを登録する
- 「管理」→「データの収集と修正」→「データフィルタ」で「内部トラフィック」を除外するフィルタを作り、状態を「有効」にする
ヘルプでは、フィルタが効き始めるまで24〜36時間かかり、除外したデータはあとから戻せないと案内されています。会社のIPアドレスが分からない、設定が不安という場合は、制作会社に「社内からのアクセスを除外できますか」と頼んでみてください。
- 出典: Google アナリティクス ヘルプ「[GA4] エンゲージメント率と直帰率」、同「[GA4] 内部トラフィックを除外する」、Search Console ヘルプ「Search Console のデータについて」(2026年9月27日確認)
数字を見て直すことは、止まっている場所で決まる
3つの数字を見たら、どこで人の流れが止まっているかで直す場所を決めます。一度に全部を直さず、1か所か2か所だけ直して、翌月に同じ画面で比べると、何が効いたかが分かりやすくなります。
| 見えたこと | 考えられる理由 | 次にやること |
|---|---|---|
| 来ている人の大半が直接入力か、社名での検索 | まだ自社を知らない人に見つけてもらえていない | お客さまが検索しそうな疑問に答えるページを足す。どの言葉で探されているかはサーチコンソールで見る |
| トップページは見られているが、サービスや料金のページがほとんど見られていない | トップページから次のページへの道が見つけにくい | メニューの目立つ位置に置く、トップページの最初の画面から直接リンクする |
| トップページの次に会社概要がよく見られている | 依頼の前に、会社の信頼を確かめに来ている | 会社概要からサービス・実績・問い合わせへ進めるリンクを置く |
| 表示回数は多いのに、エンゲージメント時間がとても短いページがある | 検索して来た人の知りたいことに、ページが答えていない | ページの最初の方に、知りたい答えを書く。Microsoft Clarityでどこまで読まれているかを見る |
| 問い合わせページは開かれているのに、完了ページがとても少ない | フォームの途中でやめている | スマートフォンで自分でフォームを最後まで送ってみて、入力しにくい所を直す |
トップページの最初の画面(開いてすぐに見える範囲)は、試しながら直せる場所でもあります。キャッチコピーや写真を変えたら、「ページとスクリーン」でサービスや料金のページの表示回数が、変更の前と後でどう動いたかを見比べてください。来ている人が本当は何を求めているかの手がかりになります。
来る人そのものを増やしたい場合は、どこから人を連れてくるかを考える段階です。名刺やチラシ、Googleマップ、SNS、検索、広告など、業種と人手に合う入口の選び方は、ホームページ集客の方法一覧にまとめました。検索から来る人を増やすための言葉の選び方は、SEO対策は自分でできる?で書いています。
作り直しを考えている場合も、先にアクセス解析をしておくと、今のサイトの強いところと弱いところが分かったうえで作り直せます。作り直す前にやっておくことは、ホームページリニューアルの費用はいくら?の中で順番に書きました。
1ページにまとめたサイトは、読まれ方が見えにくい
会社の情報を1枚の縦長のページにまとめたサイトは、作りやすい反面、アクセス解析では「どの内容がどれくらい読まれたか」が見えにくくなります。GA4の数字はページ単位で出るので、サービスも実績も会社概要も、全部が1ページの数字にまとまってしまうからです。
これから作る・作り直すなら、サービス・実績・会社概要などは別のページに分けておくと、何が読まれているかを数字で確かめられます。すでに1ページのサイトなら、Microsoft Clarityのスクロールマップで、どこまで下に読まれているかを見ると、ある程度は補えます。
毎月の見方は、見る順番を決めておく
アクセス解析は、毎日開く必要はありません。月に1回、同じ順番で同じ画面を見ると決めておけば、慣れるほど短い時間で終わるようになります。
「トラフィック獲得」で、どこから来たかを前の期間と比べる
まだ自社を知らない人が増えているかを見ます
「ページとスクリーン」で、よく見られているページと時間を見る
表示回数が多いのに時間が短いページに印を付けます
問い合わせの件数を見る
完了ページの表示回数か、登録したキーイベントの数を見ます
止まっている場所を1か所か2か所だけ直す
上の表で、見えたことに合う直し方を選びます
直したページと日付をメモしておく
翌月、同じ手順で直す前と後を比べます
比べるときは、前の月とだけ比べず、同じ長さの期間どうしで比べてください。季節で動く業種なら、去年の同じ時期と比べると落ち着いて判断できます。
毎月見る手間が続かない場合は、数字を集める作業そのものを自動にする方法もあります。このブログでは、週に1回、サーチコンソールとGA4の数字をAIが取得してレポートにまとめ、直したほうがいいページを洗い出す仕組みで運用しています。数字を見て最後にどう直すかを決めるのは人で、集計と下調べをAIに任せている形です。
アディザインに相談する場合
ここまでの作業は、ほとんどが社内でできます。ホームページの更新や運営は、基本は自社で行うのがよいと思います。数字を見てページを直すこと自体が、お客さまが何を知りたいかを見直すきっかけになるからです。
GA4やサーチコンソールの設定、社内のアクセスの除外など、自社だけでは詰まりやすいところを教わりながら進めたい場合は、内製化支援のページを見てみてください。
毎月の数字を見て、ページを直し続ける手が社内に足りない場合は、SEO・AIO対策で、どこまで任せられるかを確かめられます。数字の集計と改善点の洗い出しをAIが行い、最後の判断に人が加わる運用の仕組みも、選べる形でご相談いただけます。
最新の内容と料金は、それぞれのページで確認してください。
よくある質問
Q. アクセス解析は無料でできますか?
できます。GoogleアナリティクスとGoogle Search Consoleは無料で使え、Microsoft Clarityも無料と案内されています。大企業向けの有料版(アナリティクス 360)もありますが、中小企業のホームページなら無料版で足りることが多いはずです。
Q. GA4とサーチコンソールは、どちらから始めればいいですか?
先にGA4を入れて、サイトに人が来ているか、どのページが読まれているかをつかむのがおすすめです。検索から来る人を増やしたいと分かったら、サーチコンソールで、どんな言葉で検索結果に出ているかを見ます。2つとも無料なので、最初に両方入れておいても困りません。
Q. 見ている人の会社名や名前は分かりますか?
GA4で分かるのは、来た人の数や経路、読まれたページなどの傾向で、個人の名前は分かりません。誰が見たかを知りたいときは、問い合わせのフォームや資料請求で連絡先を書いていただく形になります。
Q. アクセス解析を入れたら、すぐに数字は見られますか?
入れた日からの数字が少しずつたまっていくので、入れる前の数字はさかのぼって見られません。作り直しや広告を始める前に比べる基準を作っておきたいなら、早めに入れておくと、あとで直す前と後を比べやすくなります。