ホームページのリニューアルは、デザインを決める前に、今のサイトの数字を見て、残すものと変えるものを分けるところから始めると進めやすくなります。
残すものの中心は、ドメイン(アドレスの会社ごとの部分)、検索で見られているページ、実績の3つです。見た目を新しくするときに、ここまで一緒に入れ替えてしまうと、これまで積み上げてきたものを手放すことになります。
重松工業様(佐賀県唐津市・選果機、選別機メーカー)のご相談は、「ホームページはあるが、ほとんど問い合わせが来ない」でした。社長も「誰も見ていないと思う」と話していたので、打ち合わせの間の1か月にGoogleアナリティクスを入れて、まず数字を調べています。
結果は、月に3,000ページビュー(ページが開かれた回数)ほど、人数にすると600人ほど見られていて、製品のページもよく読まれている、というものでした。この種のサイトとしては多い数字です。集客に費用を回さなくて済んだので、予算は、ページの分かりやすさと製品ページの充実に回しています。
この記事では、作り直すか直すかの目安、先に見る数字、残す・直す・足すの分け方、変えないほうがいいもの、進める順番、公開前後の確認を書きました。費用はホームページリニューアルの費用はいくら?にまとめています。ホームページの制作と公開後の運用をお手伝いしている会社の目線で書いています。
ホームページを作り直すか直すかは、3つの質問で決める
作り直すかどうかは、経過年数ではなく、今のサイトが目的を果たせているかで決めます。数字を見ると人が来ていて、スマホで読めて、自分たちで更新できるなら、作り直さずに直すだけで足りることもあります。
あなたの場合
まず1か月、数字を取る
作り直すかどうかは、数字を見てからで間に合います
「リニューアルの最初は、今のサイトの数字を見る」の章を読む
あなたの場合
作り直す前に、直せる所を探す
人が来ているなら、止まっている場所を先に見つけます
「残す・直す・足すに分けて、変える範囲を決める」の章を読む
あなたの場合
作り直しを進める
変える範囲を決めてから、順番に進めます
「リニューアルは、この順番で進める」の章を読む
あなたの場合
今のサイトは、直すだけで足りるかもしれません
目的を果たせているなら、古い情報や分かりにくい所を直せば進められます
「残す・直す・足すに分けて、変える範囲を決める」の章を読む
あなたの場合
先に、人が来る入口を考える
人が少ないままでは、作り直しだけでは増えにくくなります
「リニューアルの最初は、今のサイトの数字を見る」の章を読む
人は来ているのに問い合わせが少ない場合は、作り直す前に直せるところがあり、見直す順番は「ホームページの問い合わせを増やすには?」にまとめています。
来ている人が少ないなら、新しいデザインにしても人の数は増えにくいと思います。入口の考え方は「ホームページ集客の方法一覧」を見てください。
作り直しが向くのは、スマホで読みにくい、自分たちで更新できず情報が古いまま、事業の中身が変わってページと合わない、といったときです。直す場所が、サイトの作りそのものにあるからです。
リニューアルの最初は、今のサイトの数字を見る
最初にやるのは、今のサイトの、どこから人が来て、どのページが読まれているかを確かめる作業です。反応がないと、誰も見ていないように感じますが、調べてみると意外と人が来ていることもあります。
手順は3つです。
- Googleアナリティクス(来た人の数や動きを見られる、Googleの無料の仕組み)が入っているかを確かめる入っていなければ、今日入れます。入れる前の分は取れないので、打ち合わせや見積りを待つ間の1か月を使うと無駄がありません。入れ方は「Googleアナリティクスとは?」にあります
- サーチコンソール(Googleの検索で、どのページが見られているかが分かる無料の画面)で、検索からアクセスを集めているページを見る左のメニューの「検索パフォーマンス」の中の「検索結果」を開き、「ページ」の一覧で、クリックされているページを上から控えます。ここに出るページが、残す候補の筆頭です。画面の見方は「サーチコンソールの使い方」にあります
- 数字を日付つきで控えておく「4月1日〜4月30日の訪問は何人、問い合わせは何件」のように、期間つきで表に書きます。公開したあとに比べる基準になります
見る3つの数字(どこから来たか・どのページが読まれているか・問い合わせまで進んだか)の読み方は「アクセス解析とは?」で書いています。
数字から決めることは、次のとおりです。
- 人が来ていて、製品やサービスのページも読まれている作り替える範囲を絞れます。重松工業様では、古いサイトの中身を強化する方向が見えて、問い合わせの後押しになるコンテンツを充実させる方向に絞れました
- 人は来ているのに、問い合わせに進まない理由を探すことが、デザインより先です。サイトの中に理由がある場合と、集め方がサイトと合っていない場合の2つがあり、見分け方は先ほどの記事にあります
- ほとんど来ていない作り直しと一緒に、人が来る入口を考えます
残す・直す・足すに分けて、変える範囲を決める
今のサイトのページを一覧にして、1ページずつ「残す・直す・足す」の印を付けると、変える範囲がはっきりします。作り直しは全部を入れ替える作業に見えますが、残すものが決まっていれば、守るものも決まります。
やり方は、Googleスプレッドシートなどの表計算ソフトに、ページ名とアドレスを1行ずつ書き出し、横にサーチコンソールで見たクリック数と、「残す・直す・足す」の欄を作ります。ページ数が多いサイトは、クリックされているページの上位から先に埋めてください。
残すもの
- ドメインと、検索で見られているページのアドレス次の章で書きます
- 実績・お客さまの声古くなっても、消さずに残します。載せ直すときに、写真や文章を足せます
- 今、問い合わせが来ている入口電話番号やフォームの位置などは、変える理由がなければそのまま使います。数字が動かなくなったときに、原因を探しにくくなるからです
直すもの
- スマホでの見え方社内の方のスマホで全ページを開き、文字の大きさ、画像のはみ出し、電話番号を押して電話が起動するかを見ます
- 古い情報営業時間、料金、担当者、写真を、今の内容に合わせます。更新の優先順位は「ホームページ更新は何から?」にまとめています
- 誰に向けて書いているか会社の自慢が中心の文章を、お客さまが問い合わせる前に知りたいことへ書き換えます
足すもの
- 強みと、他社との違いターゲットを決めるより先に、自社の強みを言葉にします。強みが決まると、その強みを必要とする相手も決まりやすくなると思います。書き出す3つの質問は、リニューアルの費用の記事にあります
- 価格の理由中小企業は、価格勝負を避けたほうがいいと思います。他社より高いなら、読んだ人が納得できる理由を作り込みます
- 実績実績があるなら、しっかり載せます。実績は、会社が持っている数少ない一次情報で、載せていないと、もったいないと思います
- お客さまが聞きたいことに答えるページ今はAIで原稿の下書きを作れるので、ページを増やす方向で進めやすくなっています。基本のページは「会社ホームページに必要なページとは?」を見てください

価格を載せるかどうかは、迷うところだと思います。重松工業様では、問い合わせが来ない大きな理由が金額の載っていないことだと考えて、載せるようご提案しました。
金額を載せる前に、先に「価格について」というページを作り、具体的な金額は書かずに、大まかな予算感だけを載せて、1〜2週間アクセスを見ています。とても多く見られたので、金額への関心が高いことが数字で分かり、その結果をもとに、製品ごとに予算の最低から最高までを載せることになりました。
載せ方を変えたあと、ホームページからかなり問い合わせが来るようになっています。迷う内容は、小さなページを先に出して、数字で確かめてから決めると、決めやすくなります。
ドメインと、検索で見られているページは変えないほうがいい
リニューアルで入れ替えないほうがいいのは、ドメインと、検索で見られているページのアドレスです。ここが変わると、検索から来ていた人が、古いアドレスで行き止まりになるおそれがあります。
ドメインは、よほどの理由がない限り変えない
ドメインは、使い続けてきた年月の分だけ、会社の資産になっていると思います。ほかのサイトから張られたリンク、検索での評価、名刺やパンフレットに印刷したアドレス、メールアドレスが、そのドメインに積み重なっているからです。
社名の変更などで、どうしても変える場合は、古いページから新しいページへ、1ページずつ転送を設定します。ページの一覧を作り、設定漏れがないかを1つずつ確かめながら進めてください。
wwwあり・なしは、1つにそろえる
wwwのついたアドレスとついていないアドレスの両方で同じページが開く状態だと、検索での評価が分かれると思います。転送の設定で、どちらかに1本化します。
ブラウザのアドレス欄に、`https://www.自社のドメイン/` と `https://自社のドメイン/` を順に入れて開いてみてください。片方がもう片方に切り替わるなら、すでにそろっています。どちらもそのまま開く場合は、制作会社かサーバー会社に「wwwあり・なしをどちらかに決めて、もう片方から自動で転送する設定(301リダイレクト)をしてほしい」と伝えれば通じます。
名刺にはwwwがあって、パンフレットにはない、という表記のばらつきも、次に刷るときにそろえてください。
Googleも、同じ内容が複数のアドレスで開ける場合に、「このアドレスを正式なものとして見てほしい」と伝える強い方法の1つが、リダイレクト(転送)だと案内しています。
ページのアドレスは、できるだけ同じにする
ページのアドレス(URL)は、`https://自社のドメイン/company/` の「/company/」のような、ドメインより後ろの部分です。ここが同じなら、古いアドレスを開いた人は、そのまま新しいページに着きます。
ただ、WordPressなどに移行すると、アドレスの付き方が変わることがあります。制作会社に「今のアドレスのまま移せますか」と聞いてください。構成を変えるために、アドレスが変わるページが出るなら、古いアドレスから新しいアドレスへ転送する設定が必要です。
Googleは、アドレスが変わる移転では、サーバー側で恒久的な転送(301や308)を設定するよう勧めています。そのための準備として、重要なページを洗い出し、古いアドレスと新しいアドレスの対応表を作ることを挙げています。サイトマップ(ページの一覧をGoogleに知らせるファイル)、サーバーのログ、アクセス解析が、洗い出しの材料になります。
対応表は、次のような形です。
| 今のページ | 新しいページ | 決めること |
|---|---|---|
| /company/ | /about/ | アドレスが変わるので、転送を設定する |
| /works/ | /works/ | 同じなので、転送は要らない |
| /news/2019/ | /news/ | 同じ内容のページが無ければ、一番近い内容のページへ転送する |
同じ表の作り方は、「ホームページ制作のSEO」にも、転送の進め方として載せています。
移転の間は、検索での順位が一時的に変わることがある、とGoogleは案内しています。時間がたつと落ち着くとも書かれているので、公開した直後に順位が動いても、慌てて元に戻さず、転送の漏れがないかを先に確かめてください。
転送は、できるだけ長く残します。Googleは、一般的には1年以上、残すよう勧めています。
- 出典: Google 検索セントラル「URL の変更を伴うサイト移転」、同「重複した URL を統合する方法」(2026年10月1日確認)
リニューアルは、この順番で進める
進める順番は、数字を見る、変える範囲を決める、材料をそろえる、作る、確かめる、公開して比べるの流れです。デザインに入るのは4番目で、それまでの3つが決まっていると、制作会社への依頼も、見積りの比較も楽になります。
今のサイトの数字を見る
Googleアナリティクスとサーチコンソールで、よく見られているページを控える
残す・直す・足すを決める
ドメイン、検索で見られているページ、実績を残すものに入れる
材料をそろえる
強み、価格の理由、実績、お客さまの質問
作る
ページの並びと文章のたたき台を作り、制作会社に頼む部分を決める
公開前に確かめる
転送、スマホ、フォーム、検索に載せない設定の外し忘れ
公開して、数字を比べる
控えておいた数字と、公開後の同じ長さの期間を比べる
デザインに入る前の3つが決まっていると、あとで作り直しになりにくくなります
材料がそろっていなくても、進められます。原稿や写真をまだ用意できていない場合は、仮の文章と仮の写真を先に入れた形で全体を見ながら、本当の原稿と写真を決めていく進め方のほうが、早く決まりやすいと思っています。
写真や実績の記録は、普段からこまめに残している会社ほど、仕上がりの品質が上がりやすい傾向があります。リニューアルが決まってから集めるのではなく、手元の写真フォルダから先に拾い集めてください。
制作会社に頼む場合は、次のものを渡すと、見積りの精度が上がります。
- 控えておいた数字(訪問数、よく見られているページ、問い合わせの数)
- 残すもの、直すもの、足すものの一覧
- 古いアドレスと新しいアドレスの対応表のたたき台
見積りを取るときは、転送をページごとに設定してもらえるか、アクセス解析の計測を新しいサイトでも続けられるか、公開後の相談にどこまで乗ってもらえるかを、あわせて聞いておくと安心です。見積りの見方は「ホームページ制作会社の選び方」にまとめています。
ページの並びと文章のたたき台は、自社でAIを使って作ることもできます。進め方はリニューアルの費用の記事に書いています。
公開前と公開後に確かめること
公開前の確認で一番大事なのは、古いアドレスを実際に開いて、新しいページに移るかを見る作業です。作っている本人は見落としやすいので、1つずつ確認してください。
- 古いアドレス対応表の上から順に開き、正しいページに移るかを見ます。検索で見られていたページを先に確かめます
- 検索に載せない設定の外し忘れ作っている途中のサイトには、検索に出さないための設定(noindex)が入っていることがあります。Googleは、この設定があるページを検索結果から外すと案内しているので、公開前に外れているかを制作会社に確認します
- スマホでの表示実際のスマホで、全ページを開きます
- 問い合わせフォーム自分で送信して、メールが届くか、迷惑メールに入っていないか、完了画面が出るかを見ます
- アクセス解析の計測新しいサイトにもGoogleアナリティクスとサーチコンソールが入っているかを確かめます。入っていないと、公開後に比べる数字が取れません
- wwwあり・なし1つのアドレスに転送されるかを、アドレス欄で確かめます
公開したあとは、次の順で進めます。
- サーチコンソールで新しいサイトマップ(ページの一覧)を送るGoogleは、アドレスが変わる移転の手順として、新しいサイトマップを送ることも挙げています。送り方は「サーチコンソールの使い方」を見てください
- 名刺や封筒のアドレスをそろえるドメインを変えていなくても、wwwの有無はここで統一します
- 控えておいた数字と比べる公開前と同じ長さの期間で、訪問数、よく見られているページ、問い合わせの数を並べます。見る順番は、アクセス解析の記事にあります
公開後に比べる数字は、公開前に控えておかないと、あとから取れません。リニューアル前の数字を残すことを、最初の作業に入れてください。
- 出典: Google 検索セントラル「noindex でインデックス登録をブロックする」、同「URL の変更を伴うサイト移転」(2026年10月1日確認)
アディザインに相談する場合
作り直すか直すかを決めかねているときは、まずGoogleアナリティクスの数字と、今のサイトの一覧を見せてもらえれば、残すものと変えるものを一緒に整理できます。
サーバー、ドメイン、転送の設定のように、つまずきやすいところだけ教わりながら、自分たちで進めたい場合は、内製化支援が合います。構成やデザインから任せたい場合は、ホームページ制作のページを見てください。公開後の更新を、AIエージェントにつないで進めるプランもあります。すべてのプランに入っているわけではないので、希望するときはご相談ください。
最新の内容と料金は、それぞれのページと料金ページで確認してください。
よくある質問
Q. リニューアルは、何年ごとにするものですか?
年数だけで決まるものではないと思います。数字を見ると人が来ているか、スマホで読めるか、自分たちで更新できるか、事業の中身とページが合っているか、の4つで見るほうが、判断しやすくなります。
Q. 社名が変わるので、ドメインも変えたい場合はどうすればいいですか?
古いページから新しいページへ、1ページずつ転送を設定します。対応表を作り、設定漏れがないかを1つずつ確かめながら進めてください。Googleは、転送をできるだけ長く残すよう勧めています。
Q. 公開したあとに、アクセスが減りました。すぐに元に戻したほうがいいですか?
Googleは、移転の間は検索の順位が一時的に変わることがあると案内しています。元に戻す前に、古いアドレスが新しいページに移るか、検索に載せない設定が残っていないか、アクセス解析の計測が入っているかを確かめてください。
Q. 制作会社に最初に渡すものは何ですか?
控えておいた数字、残す・直す・足すの一覧、古いアドレスと新しいアドレスの対応表のたたき台の3つです。実績の写真や文章があれば、あわせて渡すと進みやすくなります。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
依頼先の規模や、文章と写真を誰が用意するかで変わります。外注の目安と、自社でAIを使って進める方法は「ホームページリニューアルの費用はいくら?」にまとめています。